アニメや動画の制作を手掛ける合同会社月虹（＝げっこう、平田実代表社員、本社東京都新宿区）は、山口市に地方制作拠点として白狐（びゃっこ）動画（清水広行社長）を設立した。アニメ制作会社としては市内初進出。夢を持つ若者の受け皿として来年１月から操業を開始する。

　２０１７年１２月に創設された月虹は、テレビアニメの制作、ラジオやインターネット上のアニメ広告宣伝、声優の育成を中心に事業を展開している。平田代表社員と山口市内で音響関係の仕事に従事していた清水社長の縁から市内進出を決定。人材不足の課題を抱えるアニメ業界の新たな人材の掘り起こしを未開拓の地で図っていく。

　赤妻町の吉光ビル２階の１４５・５６平方㍍のフロアに事業所を７月に設立。設備投資額は８００万円。月虹が制作するアニメのキャラクターや背景の色塗りの仕上げを担う。既に７人を新規で雇用。来年４月に地元から採用し、１０人にまで増やす。２５年６月期の売り上げは３１００万円を見込んでいる。

　１９日に市役所で行われた進出協定調印式では、伊藤和貴市長が「これまで市に無かったアニメ業界の企業の進出は市内の志ある若者の新たな雇用創出につながる」と期待を込めた。

　３年以内に総従業員数を３０人に拡大し、希望があれば市を舞台としたアニメを手掛けたいという平田代表社員は「初めてのアニメ制作会社として責任も感じるが、楽しみたい」と意欲。清水社長は「情熱ある若者が地元でアニメの仕事ができるよう励みたい」と語った。