金融機関を狙った強盗事件の発生が懸念される年末を控え、山口銀行宇部支店（中嶋羊治支店長）で２８日、宇部警察署（錨敏之署長）の協力を得て強盗対応訓練が行われた。行員たちは実際さながらの緊張感の下で、対応の手順を確認した。 　　

　訓練は、２人組が店内に侵入して客を人質に取り、窓口の行員に対して拳銃とカッターナイフを手に「動くな、金を出せ」と大声で威嚇しながら現金を要求したという想定。 　　

　行員たちは、速やかに現金を袋に入れて手渡すなど冷静に対応。逃走した犯人をカラーボールを持って追い掛けた。緊迫した雰囲気の中でも服装、体形、声などの特徴を確認し、メモを取っていた。 　　

　訓練後は同署生活安全課の永冨功係長が全国で発生した金融機関での強盗事例を紹介し、発生した際に抑えておくべきポイントを説明。「役割分担がしっかりできており、このまま継続してほしい」と講評した。 　　

　中嶋支店長（５６）は「カラーボールやセンサーを見える場所に設置し、見せる防犯にも力を入れている。利用者の大事な資産を守ることも重要だが、人命が最優先。同時にうそ電話詐欺の被害防止にも努めていきたい」と話した。