制御機器と電子部品の卸売り総合商社、三光ホールディングス（森脇喜美代社長、本社広島市）は１５日、山口市と鋳銭司第２団地への進出に関する協定を結んだ。同社傘下の三つの子会社の営業所と工場が入る事業所を新設し、２０２５年３月の操業を目指す。市が今年３月に整備を終えた同団地への進出第１号。

　１９５７年に設立された三光電業を核として、２０１２年に６社を傘下に置いた同ホールディングスは、製造業向けの電子部品、制御機器や制御盤の製造・販売を行う。１８年には宇部市川上に三光電業の山口営業所を設立している。

　同団地が山陽道山口南インターチェンジや国道２号に近接し、本社や取引先の多い九州地方とのアクセスの良さから進出を決めた。

　面積約１㌶の敷地に２４年５月に着工する。建物の規模は未定で、設備投資額は約３億４７００万円。同社の製造部門で電気・電子機器と制御機械の製作、ハーネス加工を手掛ける三光電子製作所山口工場を新設し、宇部市から三光電業の山口営業所、防府市から電気回路部品の抵抗器の製造と販売を行う昭和抵抗器をそれぞれ移転する。

　操業開始時には３事業所で計２３人を新たに地元から採用する。２６年７月期計画では３事業所で計４億４０００万円の売り上げを見込む。

　調印式で伊藤和貴市長は「この進出は若者活躍と雇用創出を加速させる原動力として心強い」と感謝。森脇社長は「３年越しの思いがかない本社に近い山口で事業をさらに展開できる。市に少しでも寄与できれば」と意欲を示した。