昨年同様、前夜祭は行わず一日だけの開催となったが、縮小していたパレードの参加規模を拡大するなど、会場はコロナ禍前に戻ったような熱気にあふれた。 　　

　祭りは、宇部発展の礎を築いた石炭産業になぞらえた黒い風船のリリースで幕開け。市民ら７２０人が先人への感謝と未来へ歩み続ける願いを込め、開幕宣言とともに空に放った黒色が宇部の空を埋め尽くした。 　　

　メインステージには宇部太鼓やＵＢＥダンスプロジェクトなどが出演し、多彩なプログラムを披露。特別ゲストの市出身シンガー・ソングライター上野大樹さん、人気芸人のジョイマンとネルソンズも登場し、多くの見物客が詰めかけた。 　　

　パレードでは総勢２５００人が常盤通りを華やかに練り歩き、沿道に集まった人々に元気と笑顔を届けた。祭りのシンボルである曳山パレードには押手や曳手として老若男女総勢２００人が参加。道中、第３１代曳山頭の金重和義さんが石炭餅を奉納した後、篠﨑圭二市長らが３０００個を来場者に手渡しで振る舞った。 　　

　平和通りの「宇部マルシェ」にはキッチンカーや屋台など６９店が軒を連ね、多くの家族連れが秋空の下でグルメや体験を満喫。会場の各所でストリートライブも開かれ、地元のパフォーマーたちが歌やダンスで祭りを盛り上げた。 　　

　市民パレードなどの１４団体を対象にしたコンテストの最優秀団体は、手作りのやぐらやみこしで炭都の歴史をユニークに表現した「島根県人会とむべの里シニアクラブ」。メインステージで表彰式があり、賞状と賞金３万円が贈られた。