新種の貝とヨコエビ発見 串本の海で京都大グループ
ボネリムシの巣穴で暮らすボネリノマルハサミヨコエビとヨカゼガイの図と写真(後藤龍太郎さん提供)
和歌山県白浜町の京都大学フィールド科学教育研究センター瀬戸臨海実験所助教の後藤龍太郎さんらの研究グループが、串本町の海で新種の二枚貝とヨコエビを発見した。研究成果は、論文として11日(英国時間)、英国の国際学術雑誌「ズーロジカル・ジャーナル・オブ・ザ・リンネアン・ソサエティー」に掲載された。
発見したのは、後藤さん、同実験所准教授の下村通誉さん、黒潮生物研究所研究員補の平林勲さん、産業技術総合研究所主任研究員の清家弘治さん、国立科学博物館・日本学術振興会特別研究員の山下桃さんのグループ。2020年6月、串本町の海底10~20メートルで採取した。
新種の和名は、ヨカゼガイ(貝類、体長約4ミリ)とボネリノマルハサミヨコエビ(甲殻類、体長約5ミリ)。死サンゴ礫(れき)にあるボネリムシ(環形動物ユムシの仲間、体長約2センチ)の巣穴に生息していた。
後藤さんは、貝やユムシの仲間を研究している。ユムシの仲間が暮らす砂の巣穴で、他の生物が共生している例があることから、ボネリムシの死サンゴ礫の巣穴でも生息しているのではないかと推測。調べたところ見つかったという。
後藤さんは「見つけてすぐに新種と分かったので、とても興奮した。和歌山の海にはまだ未知の生き物が生息している。生き物たちが共生することで多様性が保たれていることを知ってもらいたい」と話した。
今回見つかった新種の標本は12月中旬まで、白浜町の京都大学白浜水族館で展示している。営業時間は午前9時~午後5時(入館は午後4時半まで)。入館料は高校生以上600円、小中学生200円、未就学児無料。年中無休。
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