「保育園留学」始まる 日置川地域を活性化
「保育園留学」を受け入れている日置保育園(11日、和歌山県白浜町日置で)
和歌山県白浜町は今月から、同町の日置川地域で、地域住民と都市部の子育て家族をつなぐ「保育園留学」をスタートした。東京都の家族3人が、地域のゲストハウスに宿泊しながら、子どもを日置保育園に通わせている。
保育園留学とは、家族が1~2週間、地域の保育園に子どもを通わせながら暮らす体験事業。町が、同事業を推進している会社「キッチハイク」(東京都)と連携し、関西で初めて取り組む。同社によると、保育園留学は2021年に北海道厚沢部町からスタート。現在は全国約30地域で400家族以上が利用している。
町は、この事業を県と共に取り組んでいるテレワークと休暇を組み合わせたワーケーション事業の一つと位置付けている。自然に恵まれた日置川地域が、子育て環境に良いことをアピールし、町ホームページなどで参加者を募集している。
町によると、11日現在、留学中の家族を含めて4組の留学の予約が入っている。地域別でみると、東京都2件、神奈川県1件、京都府1件。
現在、町内に留学しているのはIT系自由業の宮崎理恵さん(37)と長女(5)、長男(3)の家族。8日から15日まで滞在する予定。町を訪れるのは初めて。愛媛県出身の宮崎さんは、自分と同じように自然豊かな環境の保育園を子どもたちにも体験させたいと思い、留学を決めたという。
宮崎さんは「日置川地域は海、山、川が近く、懐かしい感じがする。子どもたちは保育園をとても気に入っている様子。都会にはいないトンボやチョウなどの虫を見つけてとても喜んでいる」と話した。
保育園によると、地元の園児たちは、新しい友達が来たことを喜び、一緒に運動場を走り回ったり、おもちゃの遊び方を教えたりするなど積極的に関わっているという。
町担当課は「保育園留学を過疎化が進む日置川地域での継続した関係人口創出のきっかけとしたい。最終目標は地域への移住だが、まずは地域を訪れてもらいその良さを知ってもらいたい。足を延ばせば関西屈指の観光地があるのも白浜町の強み。事業状況を見て他の地域への拡大も検討していきたい」と話している。
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