八峰町で農林漁業や暮らし体験 「半農半X」受け入れ開始
八峰町で「半農半X等人材確保事業」が始まり、ネギの調製作業を行う丹野さん(右、同町峰浜塙で)
地方で本業を続けながら農林漁業など副業に取り組む「半農半X等人材確保事業」が八峰町で始まった。昨年度まで県が町観光協会に委託して行ったが、今年度は町の事業として実施。5日に東京都の女性が農事組合法人でネギの調製作業に取り組み、農業や町の暮らしに理解を深めている。12月まで行われ、今月は東京都や岐阜県、愛媛県から6人が参加する予定。
半農半Xは昨年度まで2年間、町観光協会が県からモニター事業を受託して実施。同協会によると、各年度で定員5人程度を募集し、3年度7人、4年度5人が参加した。
今年度は1次産業など町内事業者の担い手不足の解消を図りながら、関係人口の創出に結び付けようと町の事業で行い、一部業務を町観光協会に委託した。
対象者は県外在住者で、10月1日から12月28日のうち2週間、町内に滞在して4日以上アルバイトできることが条件。参加者は、あきた白神体験センターに宿泊する。毎月10人程度を募集し、農林漁業や宿泊施設など7事業所で受け入れる。
東京都や大阪府、鹿児島県などから36人が申し込み、今月は男女6人が参加予定。1日から東京都の女性2人、5日から東京都の男性1人が滞在している。
5日は東京都渋谷区の丹野美樹さん(46)が同町峰浜塙の農事組合法人はっぽう農園(米森雄大代表理事)で、ネギの調製作業に汗を流した。
理事の山谷晃仁さん(47)から皮のはぎ方や結束の仕方を教わりながら作業し、丹野さんはネギの刺激臭に苦労しながらも、「細部までこだわった作業で農家の大変さを実感した」。山谷さんは「結束作業はもうマスターした」と話した。
丹野さんは服飾雑貨の輸入販売業を営んでいるが、将来の地方移住も見据えて「全国の街を見てみたい」と考えていたところ、SNS(インターネット交流サイト)で八峰町の事業を知って参加を決めたという。
1日に来町し、4日までに町観光協会職員や地域おこし協力隊の協力を得て車で町内を回り、「ブラックサンドビーチ」で知られる中浜海岸を見学したり稲刈りを体験した。14日まで滞在する。あきた白神体験センターから見える夕方の日本海にも感動したといい、「自然が豊かで食べ物もおいしくてすごくいい町。町の皆さんも温かく接してくれてありがたい。これから八峰町のことを知っていきたい」と話した。
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