リュウキュウコノハズク 島と島の間飛んでいた 波照間―石垣で調査 初確認 進化理解に重要な手掛かり

石垣島で再発見されたリュウキュウコノハズク。左足に青と黄色の足環が見える=2022年7月20日、石垣島のバンナ岳
リュウキュウコノハズクの離島間での移動が国立環境研究所の澤田明氏らの研究で初めて明らかにされた。移動が確認されたのは、波照間島から石垣島までで直線距離50㌔余り。波照間島で標識用の足環が装着されたリュウキュウコノハズクのメスが石垣島で見つかった。論文は学術雑誌などのオンラインデータベースBioOneに8月、掲載された。
コノハズクの仲間はフクロウ目の中で最も多くの種があり、多くは亜熱帯から熱帯の島々に分布する。これらの種は、島ごとに異なる種や亜種に分かれており、あまり島間を移動することがなく、集団間の遺伝子流動が少ないことが要因として考えられている。
今回の発見について澤田氏は「コノハズクの仲間の島間移動の記録は、彼らの島しょ部での進化を理解するための重要な手掛かりとなる」と指摘する。
研究では2021年に波照間島でリュウキュウコノハズク134個体に足環を装着。そのうち1個体が22年に石垣島で再発見された。
この個体は21年8月10日に波照間島北東部の林縁でメスの成鳥として標識され、22年7月17日に標識地点から約52・7㌔離れた石垣島のバンナ岳ふもとの林内で再発見された。
この記録は、リュウキュウコノハズクが島間を移動する初めての直接的な証拠となった。
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