和大生が助っ人で梅収穫 産地の課題解決策探る
集めた梅をコンテナに入れる和歌山大学の学生(17日、和歌山県上富田町岩田で)
農作業の人手不足や消費低迷など梅産地が抱える課題の解決策を探るため、和歌山大学とJA紀南(本所・和歌山県田辺市)が協力し、新たな取り組み「梅収穫スタディケーション」を始めた。17日は学生4人が和歌山県上富田町の梅畑で収穫作業に従事した。
梅収穫スタディケーションは、スタディー(学習)、ワーク(仕事)、バケーション(休暇)を掛け合わせた造語。学生に収穫作業を手伝ってもらうことで人手不足の解消を目指しながら、インターネットでの情報発信、消費拡大のアイデア出しなどを通じて、学生が実践的に学ぶ場にしたいという。
参加したのは和大の地域交流援農サークル「agrico.(アグリコ)」のメンバー。17、18の両日、上富田町岩田にある谷本憲司さん(46)の梅畑で収穫作業をする。24、25日にも別のメンバー4人が参加する。
アグリコ代表の小田悠有爾さん(21)=システム工学部3年=は、畑に敷いた網の上に熟して落ちた実を拾い集めた。「農家さんの考えを聞いたり、収穫して店頭に並ぶまでの過程を知ったりするのが楽しい。農業をしていない人には『農業は肉体労働でしんどそう』というイメージがあるが、良さを伝え、観光などと合わせてそういった人たちを取り込みたい」と声を弾ませた。
谷本さんは「人員が確保できない年があったり、人手不足の話を聞いたりする。のんびりしているイメージがあるかもしれないが、大変さや農家の現状を知ってもらえたら。また、自然を楽しんでもらえればうれしい」と話した。
JA紀南指導部の榎本義人部長は「今後、協力いただける大学を広げ、将来的には梅の収穫時期に途切れることなく学生が産地に入ってもらえるような環境をつくり、人手不足の解消につなげたい。この取り組みをきっかけに若者の就農につながればうれしい。10年後、20年後の産地を守れるような取り組みにしていきたい」と話している。
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