テープカットでテレワークオフィスなど３施設の開所を祝う関係者＝１５日、鹿児島県知名町

　鹿児島県知名町が同町知名に整備したテレワークオフィスの開所式が１５日、同施設前であった。同施設を含めて関連３施設の開所を祝うもので、町、議会、関係企業の代表者ら約３０人が出席。テープカットで開所を祝い、３施設を活用した沖永良部島の情報発信や関係人口増に期待を込めた。

　知名町では２０２２年度、国のデジタル田園都市国家構想交付金を活用して町内３カ所に同施設と、複数の企業や個人事業者の短期利用やオンライン打ち合わせなどに利用できるコワーキングスペース、誘致企業人材の宿泊受け入れを想定した宿泊施設の整備を進めた。事業費は１億３２３５万２千円。

　テレワークオフィスはコンテナハウス４棟を連結させた建物で、島外から入居希望事業者を募集。東京、大阪、愛知、県本土４社の入居が決まった。コワーキングスペースは町フローラル館に設置。両施設はツギノバ（北海道）が指定管理者として一体的な運営、事業管理を担う。宿泊施設はおきえらぶフローラルホテルの和室客室などを改修し、３部屋整備した。

　開所式で、今井力夫町長は入居する４社に向け、「地方でも事業拡大ができることを証明してもらい、大いにアピールしてほしい。皆さんの力で知名町を日本、世界に発信してほしい」と呼び掛けた。

　入居者を代表し、沖永良部島でのＤＧＲ（デジタルグリッドルーター）設備開発や運営を予定している「えらぶゆり電力」（本店・愛知県）の新海優社長は「素晴らしいロケーションで仕事ができることで新しいアイデアが生まれたり、皆さんとコミュニケーションが取れることを非常に楽しみにしている。ここから海外へ発信し、この取り組みを広げていきたい」とあいさつした。