一斉にスタートする帆かけサバニ=13日午前9時20分、八重山建設会館前の海岸
古式帆かけサバニで優勝した「黒潮」のメンバーら=13日午前、崎枝
伝統の木造帆かけサバニを保存し、マリンレジャーなどを活用して操船技術の継承につなげようと第1回八重山フーカキサバニレース(八重山サバニレース実行委員会主催)が13日、石垣島近海で行われ、島内外から10チームがエントリーした。帆に風をはらんだ10艇のサバニが海面を滑走、海洋文化の魅力を発信した。
第1回レースは昨年9月と同10月に予定されたが、台風接近や荒天で中止となっており、3度目の企画で実現。石垣島から5、竹富島から1、西表島から3、本島から1の計10チームが出場した。
アウトリガーなしの古式帆かけサバニ4艇、アウトリガー付き帆かけサバニ6艇が午前9時20分、八重山建設会館前の海岸を出発。1チーム5人前後が乗り込み、約12㌔先の屋良部半島崎枝南浜を目指して帆を風を受けながら息を合わせてエーク(かい)をこいだ。午前9時から同11時にかけて南南西の風3~4㍍が吹く絶好のコンディション。石垣島から参加の古式型「黒潮」(津村力代表、5人)がスタートから1時間後の午前10時20分ごろトップでゴールした。
「黒潮」は、サバニ大工の故・新城康弘さん(享年96)が2012年に製作したもの。津村代表(70)=野底=は「風も良かったが、一番はチームワーク。帆とこぎが合っていた。古式で1番になって光栄。新城さんも喜んでいると思う」と笑顔をみせ、「八重山にはサバニ文化があるので、こうやって集まってレースをやることに意義がある。豊かな海洋文化の継承につながる」と話した。
参加チームのうち約18年前に結成された「うなじゅら」(仲田森浩代表、6人)が最古参。漁業者の仲田さん(63)は八重山帆掛サバニ愛好会の会長として八重山漁協整備の「帆かきサバニ舟船舶保管施設」を受託管理し、造船・帆走技術の継承に取り組んでいる。「長く私たちの1チームしかなかったが、石垣、竹富、西表などにも愛好家が増えてうれしい。長い歴史のある伝統文化を継承するため、若い人たちもどんどん入ってきてほしい」と期待した。
実行委員長で久宇良地区でサバニ造船所を営む吉田友厚さん(48)は全艇到着後、「無事に終わってホッとしている。みんないい顔をしており、やって良かった」と満足げ。「エンジンもなく風を動力とする昔ながらのやり方を楽しむ人たちが増え、八重山の海洋文化が盛り上がっていくことを期待する。師匠の新城康弘さんも見守ってくれると思う」と語った。
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