県防災ヘリ、新機体公開 7月デビューへ

防災ヘリコプター「きしゅう」の新機体(和歌山県白浜町で)
和歌山県の消防防災ヘリコプター「きしゅう」の新機体が、白浜町の南紀白浜空港で報道陣に公開された。高度を下げ過ぎて地上に激突する事故を防ぐ装置や災害映像の送信機能を搭載。7月の運航開始を目指す。
「きしゅう」は山林火災の消火や救急患者の搬送などを担う防災ヘリ。白浜空港内にある県防災航空センターを拠点に、約24分で県内全域に駆け付けられるという。現行機体は1995年の導入で老朽化しており、新機体に変更する。3月29日に配備され、航空隊員が飛行訓練を積んでいる。
新機体はカナダ製。全長17・1メートル、全幅14・02メートル、高さ4・66メートルで、定員は15人。最高速度は時速259キロで、1度の給油で722キロ航続できるという。価格は21億600万円。
地上との高度を常に測定し、異常に近づくと警報を鳴らす「対地接近警報装置」や、操縦かんを操作しなくても空中で静止できる「オートホバリング機能」など操縦支援を強化。
さらに、これまで使用のたびに積み込む必要があった災害映像の電送システムを常設。カメラとアンテナの位置を調整したことで、消火タンクも同時に搭載可能になった。映像からの情報を基に、効果的な消火活動ができるようになる。
防災航空隊の土井敏弘隊長(42)は「新機体は安全面が向上され、隊員も安心して現場に挑める。捜索活動や火災時の情報収集の精度も上がる。今後発生が予想される大規模災害などに対処できるよう、日々訓練に励みたい」と話した。
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