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白老の千葉昊也君 卒業式に向け アイヌ正装を自作

白老町の白老民族芸能保存会最年少会員の千葉昊也(こうや)君(12)=萩野小学校6年=は、自作したルウンペ(木綿衣)とマタンプシ(鉢巻き)を身に着け、来月17日に行われる卒業式に臨む。2年生の授業で触れたことをきっかけにアイヌ文化を独学し、5年生で保存会に入会。昨年からアイヌ民族の正装作りを進めてきた。完成した衣装をまとい、「晴れ姿で堂々と卒業証書を手にしたい」と話している。

卒業式に向けて自作の正装をまとい、笑顔を見せる千葉君

 アイヌ文化に興味を持ったのは、小学2年の総合学習の授業で保存会のメンバーが来校した際、ムックリを練習したのがきっかけ。踊りにも興味を持ち、インターネットの動画サイトなどを見て独自に踊りの型を学び始めた。2020年の夏には授業で学んだアイヌの刺しゅうを自由研究の題材に選び、取り組んだ。

 5年生になった21年夏には、民族共生象徴空間(ウポポイ)で保存会のメンバーと一緒に踊る機会があり、会との距離がぐっと近くなって冬に正会員になった。師匠と仰ぐ同保存会理事の飯島宏之さん(40)から踊りの指導を受けるようになり、イヨマンテリムセ(熊の霊送りの踊り)やク・リムセ(弓の舞)などの舞踊技術はめきめき上達している。

 ルウンペの自作は、6年生になった時に卒業式に向けて構想。「着物計画」と題した計画書を作成して取り組んだ。昨年7月に自分の体の大きさに合った型紙を手作りし、町内の手芸店などで生地や糸を買ってきた。8月に本格的な制作に着手。刺しゅうや模様の縫い付けを地道に進め、今年2月5日にルウンペとマタンプシを完成させた。首回りの刺しゅうやステッチ(縫い方)の一種「エタラカ」が「大変でした」と笑う。エタラカには、悪夢を捕らえて防ぐ魔よけ(ドリームキャッチャー)の意味合いがあるという。

 飯島さんは千葉君について「文化の保存と伝承を使命とする保存会で、自ら積極的に学び、すでに自分の踊りを模索しているなどとても頼もしい存在」とエールを送る。飯島さんの旧友でもある父親の理生さん(40)も「親として本人のやりたいようにさせたい。伸び伸びと学んでほしい」と目を細める。

 今は春からの中学校生活で、バスケットボール部に興味深々の千葉君。保存会の活動は今後も継続し、さらに研さんを重ねていく。

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