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長野日報社

長野県諏訪市江音寺の獅子像 岩波其残の楽焼と判明

岩波其残の作品だと分かった江音寺の獅子像。右から翁悦治さん、荻原文方住職

 長野県諏訪市豊田の江音寺にある楽焼の獅子像が、幕末から明治初期にかけて多彩な分野で活躍した諏訪市出身の俳人、岩波其残(1815~94年)の作品だと分かった。楽焼は「其残芸術の第一級」に位置付けられており、探し当てた郷土史家の翁悦治さん(79)=神奈川県平塚市=は「力強い造形の見事な楽焼であり、貴重な作品だ」と評価している。

 其残は文出村(現諏訪市豊田)出身。高島藩士で俳人の久保島若人に学び、俳諧をはじめ絵画や写真、彫刻、楽焼などに親しんだ。医者の愛人だった妻みちと恋に落ち、2人は騒ぎを避けるように旅に出る。11年にわたって諸国の俳人と交わり、多くの作品を残した後、再び諏訪に戻り、生涯連れ添ったという。

 獅子像の胎内には墨書があった。2人が諏訪に帰って設けた「再庵」で1861(文久元)年の「雪降月」に作り、江音寺第15世住職の求めに応じて、63(文久3)年4月に贈ったことが記されている。獅子像は高さ34センチ、幅34センチ、奥行き24センチ。阿形の姿勢をした大香炉だ。台座を含めると高さは「3尺(約90センチ)」あったというが、台座の所在は不明という。

 其残の楽焼については、茅野市出身の俳人、小平雪人(1872~1958年)が、大正時代に信陽新聞に連載した「其残翁伝」で「彼の芸術の第一に位するは楽焼であった」とたたえている。

 昨年末に江音寺を訪れ、獅子像に初対面した翁さん。「見た瞬間に其残だと分かった。力強く迫力ある造形、うわぐすりも見事。160年の眠りから覚めて浮世の邪気を払ってくれているようだ。其残は人生そのものが芸術的。もっと評価されてよい人だと思う」と語った。

 荻原文方住職(65)は「其残の作とは知らず、書院の床の間に置いて宴会時はみんなのアイドルだった。大事に保管していきたい」と話す。

 江音寺の獅子像は、八ケ岳美術館(原村)で4~6月に開く展覧会で公開される。其残の獅子像はモースの日本陶器コレクションの一つとして米ボストン美術館にも収蔵されているという。

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