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北羽新報社

商売繁盛と作業安全祈る 能代市の製材会社で伝統の「山神祭」

山の恵みに感謝し、1年の商売繁盛や作業の安全を祈願した「山神祭」(能代市大森山の東北木材で)

 能代市大森山の製材会社「東北木材」(丹哲男代表取締役社長)で12日、山の恵みに感謝し、1年の商売繁盛や作業の安全を祈願する「山神(さんじん)祭」が行われた。木材業が盛んな能代山本ではかつて、この神事を12日に各事業所がこぞって行ってきたが、現在は東北木材を含めて数社とみられる。同社は「山神祭は1年のけじめの時。今後も続けていきたい」としている。

 山神祭は「山の神」とたたえられる大山祇神(おおやまつみのかみ)を祭り、恵みを享受させてもらっていることへの感謝と、これからも変わらぬ恩恵が得られることを願い、山林業や木材業の会社、団体が行っている神事。山の神が山の木を数える日と言われる12月12日が、一般的な祭典日となっている。
 能代市内の木材会社も山の神への信仰を厚くしてきたが、年末は何かと気ぜわしいため、神事はひと月遅れで執り行うのが通例に。昭和から平成の初めにかけては多くの事業所・団体が1月12日に神事を行い、その後は事務所内や宴会場で新年会を催すところもあったが、時代の変化からそうした慣習は次第に薄まり、また和室の減少、安い外材の輸入増大、住宅着工の減などの影響を受けた企業の廃業・倒産もあって、山神祭の光景自体珍しいものになっていった。
 一方で、山神祭の伝統を守り続ける企業もあり、今年創業95年を迎えた東北木材もその一つ。この日、工場内の一角に紅白幕を引き、代々受け継いできた山神祭のための祭壇を設置、午前8時30分から社員約40人が出席して執り行った。
 大山祇神を描いた掛け軸も掲げられる中、日吉神社の平賀優子宮司が祝詞を奏上、小林俊雄代表取締役会長、丹社長、社員代表らが玉串をささげ、社業のさらなる発展を祈願した。工場内の製材機械や設備のおはらいも行い、無事故無災害の心構えも新たにした。
 平賀宮司によると、日吉神社が関わる山神祭は現在、東北木材のみ。「私が能代に来た(平成10年)頃で8社ほど、それ以前には20~30社を回ったとする記録も残っている。会社がなくなってしまうなどしてみんなやめてしまった中で、昔とたがわない立派な祭壇、お供え物を準備して、神様を大切にしてくれていることがうれしい」と話す。
 小林会長は「現在は社員に『酒肴(しゅこう)料』を支給するのみだが、会社を休みにして祝宴を開いた時代もあった。木で成り立っている会社として、毎年木がある山の神様に感謝し、新しい年がいい年であるように願っている。今後も伝統を守り続けたい」とした上で、「一昨年、昨年と続いたウッド・ショックの影響で、外材の代替材として国産材の需要が高まった。引き続き高品質な製品づくりに努めていく」と語った。
 企業のほか団体では協同組合県銘木センター(瀬川貴志理事長)が毎年山神祭を行っており、27、28日開催の第22回東日本展示大会初市特市の全商い終了後に神事を計画している。

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