
茅野市の清流で行われた「献上寒晒し蕎麦」の仕込み作業
長野県茅野市内のそば店などでつくる「八ケ岳蕎麦切りの会」は12日、同市で夏の名物となっている「献上寒晒し蕎麦」の仕込み作業を市内の清流で行った。会員らが同市湯川の畑で寒晒し用に栽培した玄ソバ約200キロを厳冬の流れに浸した。
寒晒しは、秋に収穫した玄ソバを冷水に沈めて仮死状態にし、保存性を高める伝統的な技法。雑味が抜けて甘みが増し、もちもちとした食感が生まれるという。江戸時代には高島藩が特産品として将軍家に献上していた。同市では一時、寒晒しの技法が途絶えたが平成になって有志が復活させ、15年ほど前から同会が引き継いでいる。
この日は、会員5人が気温氷点下10度、水温氷点下3度の中、約8キロずつ網袋に入れた玄ソバを川底に沈めて石で固定した。今後はソバの実の状態を確認しながら1週間から10日間浸水し、引き上げた後に1カ月ほどかけてゆっくりと乾燥。夏まで倉庫で保管し、製粉するという。
寒晒しそばは、7月中旬ごろから会員6店舗で提供される。宮坂新一会長(55)=同市金沢=は「ソバの実が良質で仕込みの条件も良かったので今年は期待できる。提供を楽しみにしてもらいたい」と話した。
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