「軽くなった」、コロナの全数見直しで診療所の負担【宇部】
新型コロナ感染者の全数把握の簡略化が全国一律で導入され、宇部市内では発生届の提出を必要とする陽性者が従来の約2割にまで減った。実際に、市内の診療所からは「新型コロナ感染者等情報把握・管理支援システム(ハーシス)」への入力者数が減り、負担が軽くなったとの声が聞かれる。
9月26日の全数把握の見直しで、発生届の対象は高齢者と妊婦、基礎疾患などがあり入院を要する人、重症化リスクがあり治療薬や酸素投与が必要な人に絞られた。
市医師会長の西村滋生さん(67)が院長を務めるにしむら内科クリニック(山門4丁目)では、入力時間がほとんど無くなったという。記入漏れがないよう何度も確認するため、1人当たり30分ほどかかる。新規感染者数が増加していた8月中旬から9月中旬は作業が深夜にまで及んでいたが、見直し後はオミクロン株やインフルエンザのワクチン接種、がん検診などの通常業務に当たりやすくなった。
非対象者には、陽性判明時に県の自宅療養者フォローアップセンターに登録するよう促している。同センターの医師や看護師が健康や生活の相談に応じ、状態の悪化などで診察が必要と判断された場合には、近隣の医療機関に連絡が入る仕組みになっている。
西村院長は「入力者数が減り、市内の開業医の負担が軽くなったのは事実。陽性者との間にワンクッション入るようになったことも、対応が楽になったと感じる要因の一つ」と話す。
一方で、これまで紙の発生届を保健所にファクスで送っていた医療機関では、ハーシスに入力する手間が増えたとの声もあるという。
県は、宇部環境保健所など一部の保健所を除いて応援職員の派遣を停止。宇部市では県の感染者数の発表が保健所の管轄エリアごとになったため、9月26日を最後にホームページでの市内の発生状況の発表をやめた。
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