東里さんが保護したセマルハコガメ。今は町のアヤミハビル館で保護されている＝5月23日（提供）

　【与那国】八重山警察署与那国駐在員の東里剛巡査部長が5月23日、勤務中にセマルハコガメを発見。町の昆虫展示施設「アヤミハビル館」に届けた。見つかったカメは甲長17・5㌢。

　セマルハコガメは国の天然記念物。国内では石垣島と西表島にしか分布していない。

　東里部長は発見時、セマルハコガメだとひと目で分かったという。町内での発見は、転勤で与那国入りして間もない頃にジョギング中に見つけたのに続き、今回で2度目と言う。

　与那国島でセマルハコガメが見つかるのは、2014年の最初の保護から9例目。いずれも成体。山や川沿いなどで見つかっている。今回は道路を横断中で、東里巡査部長は「昼間でよかった、もし夜だったら、と胸をなで下ろした」とその時の様子を話した。

　この日は午後2時ごろ外勤中、道を横切っているカメに遭遇。東里さんはカメの甲羅で「セマルが？」と、保護してアヤミハビル館へ持ち込んだ。　

　県文化財課は天然記念物のカメが保護された場合、特例で普及啓発を目的に学校での飼育を勧めている。

　今回、見つかったカメは久部良小学校が飼育を望んでおり、町教委が正式な飼育許可を得るため文化庁へ申請する。
（田頭政英通信員）