ニホンミツバチ「分家」喜ぶ 保護活動続ける下村さん

ニホンミツバチの群れを別の巣箱に入れる下村勤さん(11日、和歌山県みなべ町高野で)
和歌山県紀南地方で、ニホンミツバチが巣分かれをする時季を迎えた。みなべ町高野の下村勤さん(78)方でも11日、巣箱で飼っている群れから新たな群れが分かれた。下村さんにとっては2年ぶりで、ハチが増え「分家」が誕生したことを喜んでいる。
ニホンミツバチは、新しいハチの誕生によって巣が手狭になると、春から夏にかけ、群れの半分ほどが新女王を残して古い女王蜂とともに別の巣に移る。ハチを飼育する愛好者は、その機会に巣を出た群れを巣箱に誘い込み、飼うハチを増やしていく。
下村さんは父親から引き継ぎ、十数年前からハチを飼うようになった。梅の主力品種「南高梅」に実をならすために受粉させるのが目的だ。
11日は午前10時ごろ、自宅前の梅畑に置いている巣箱から群れが飛び出し、梅の木につるした板に重なり合って固まった。板はハチが好むという桜の木皮を使っており、ハチの固まりは見事な球形になった。その群れを下村さんが、道具を使って新しい巣箱に移し替えた。
下村さん方では昨年、巣箱5箱に入っていた群れが、全ていなくなった。理由は分からないという。その後、知人から群れを譲ってもらった。今年は1週間ほど前に初めての巣分かれがあったが、その場に居合わさなかったことから、どこかへ飛んで行ったという。
下村さんは2020年2月、飼育仲間8人で住民団体「ビーフォレスト・クラブみなべ百年の森」を結成し、巣箱を作って設置するなどしてニホンミツバチの保護活動を続けている。
雑木林が少なくなっていることやスムシ、スズメバチ、アカリンダニなどによる被害で、減っているからだという。下村さんは「梅を育てるのにハチは欠かせない。今回、無事に分蜂できてよかった。来年以降も梅の栽培のためにハチを増やしていければと思う」と話していた。
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