大数珠回し先祖供養 能代山本各地で「百万遍」

「百万遍」で大数珠を回す住民ら(三種町の泉八日集落で)
春彼岸入りの18日、能代山本では各集落に古くから伝わる「百万遍」が行われた。地域住民が念仏を唱えながら大数珠を回し、先祖の霊を供養するとともに新型コロナウイルスの収束なども願った。
百万遍は先祖を供養しながら集落の安寧を願う民間信仰で、住民が輪になって大数珠を回す。高齢化を背景に継承が課題となっている行事で、今年は新型ウイルスの影響で実施を見送った集落もあった。
このうち三種町森岳の泉八日集落では、いつから百万遍が始まったかは定かではないものの、何世代も受け継がれ、現在は「さくら会」(鈴木ナツ子会長)が担っている。60、70代の10人余りの女性で構成し、彼岸花作りにも励んでいるグループで、今年は彼岸入りの18日、中日の21日、彼岸明けの24日の3回行う。
18日は9人が児童館へ集合し、十三仏の掛け軸の前でろうそくを灯(とも)して開始。長さ16㍍の大数珠を二重にした上で、「ナンマイダー、ナンマイダー」と唱えながら50周させた。リズム感と音程があり、鉦(かね)の音も加わって独特の雰囲気を演出。数珠には、長さ15㌢ほどの木の塊が結び付けられ、その部分が回って来ると持ち上げて頭を下げた。
21日も数珠を50周させるが、最終日の24日は100周させた後、集落内の5カ所の地蔵を巡って小さい数珠を回す。会長の鈴木さん(73)は「自分たちが歩ける限りコロナ禍でも『百万遍を絶やしたくない』と思い、マスクをして行うことにした。先祖の供養だけではなく、コロナに打ち勝って収束することも願っている」と話した。
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