雨なく富田川で瀬切れ アユ遡上に漁協やきもき

瀬切れで水がなくなった富田川(11日、和歌山県上富田町岩田で)
今年に入って雨が少なく、富田川では瀬切れが起きている。流域にあるアメダス観測点の栗栖川(和歌山県田辺市)では1、2月の降水量が計90ミリで、特に2月(35ミリ)は過去2番目(1976年からの統計)に少なかった。富田川漁協は「雨量は例年の半分以下。アユが遡上(そじょう)するシーズンを迎えており、とにかく雨が欲しい」と心配している。
瀬切れができるようになったのは1月下旬ごろ。まとまった雨が降るといったんは解消されるが、すぐに途切れてしまう。支流でも水量が減って3月1日に解禁されたアマゴの釣果にも影響が出てきているという。
漁協では、白浜町にあるせきや魚道に集まるアユを鳥から守るため、9日に防鳥テグスなどを設置した。漁協の重石敏夫さんは「今後、せきに集まった稚アユを捕獲して上流に運ぶ(くみ上げ)などの対策を検討している。ただ、せきにはくみ上げ用の施設もなく、経験もほとんどない。役員で知恵を出し合って方法を考えたい」と苦慮している。
県内水面試験地(紀の川市)は「瀬切れができると物理的にも上れないが、遡上には水温と気温が関係しており、渇水になると遅れる可能性がある。今すぐに影響はないと思うが長引くと心配」と話している。
観測点で2月の降水量をみると、紀南では南紀白浜(白浜町)の26・0ミリをはじめ、新宮(新宮市)26・5ミリ、色川(那智勝浦町)30・5ミリ、西川(古座川町)33・5ミリ、護摩壇山(田辺市)83・5ミリで観測史上最少を記録した。
和歌山地方気象台によると、14日に雨の予報はあるが、今後1週間は雨が少ない状態が続くとみているという。
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