たくさんの支援に感謝 三種町・長信田太鼓 無観客ライブを配信へ

無観客ライブに向け練習に励む長信田太鼓のメンバー(三種町森岳で)

支援金を活用して修繕した和太鼓
三種町森岳の長信田の森心療クリニックに通う若者たちによる「長信田太鼓」が、23日に町山本ふるさと文化館で無観客ライブを行う。寄せられた支援金で修繕した和太鼓を使用、支援してくれた人たちに向けて来月上旬にライブの模様をオンライン配信する計画。メンバーは熱演で恩返しをしようと、連日、練習に取り組み力強い音を響かせている。
クリニックでは、さまざまな理由で不登校や引きこもりに陥った若者たちを対象に体験活動や共同生活を実施し、自立を支援している。長信田太鼓もその中の活動の一つで、平成21年1月に結成した。
毎年単独ライブを開催してきたが、新型コロナウイルスの影響を受けて今年度は実現できないまま。ライブや地域での演奏によって活動資金を得て、太鼓の革を張り替える修繕費もやりくりしてきたが、町内外での催しの減少に伴って出演機会も激減した。
こうした現状を知った町民有志らが昨年、「応援プロジェクト実行委員会」を立ち上げ、支援金を募るクラウドファンディング(CF)を実施。期間に設定した10月20日から12月5日までの募金総額は目標の150万円の2倍に迫る283万7千円(223人)に上った。
支援金を活用し、大仙市の業者に太鼓の修繕を依頼。大太鼓、中太鼓、締め太鼓計6台に加え、所有する中で最も大きい直径3尺(約90・9㌢)の太鼓も修理した。
現在のメンバーは10~30代の男女6人。23日のライブでは「絆響」「天・駆」「颯」といった、長信田太鼓で打ち継がれてきた9曲を演奏する。道場・錬成館での練習も追い込みで、エネルギッシュなパフォーマンスに磨きを掛けている。
自らも演奏に加わる長信田太鼓代表の水野京子さん(51)は「CFを使った支援を受けたことで、改めて、長信田太鼓がたくさんの方々に応援されていることが身にしみて分かった。演奏はまだまだ未熟ではあるけれど、メンバーは責任感、使命感を持って取り組んでくれている」と話す。
リーダーの柳原朋さん(17)=秋田市=は、長信田太鼓に参加し3年目。活動を通じて、かつての自分にはなかった「感謝の気持ち」を持てるようになったという。柳原さんは「コロナの影響で演奏の機会、メンバーにとっての成長の場が一気に減ってしまった。悔しいし、無力感も感じたが、培ってきたメンバー同士のつながりは、今までの年と比べても負けない」と話し、支えてくれた人たちへの感謝を込めて熱演することを誓った。
関連記事
「持ち帰らないで」 外来生物オオキンケイギク
特定外来生物のオオキンケイギク(キク科)が、和歌山県紀南地方の河川敷や道路沿いなどで鮮やかな黄色の花を咲かせている。取り扱いには注意が必要で、栽培や運搬、販売、野外に放つことなどが外来生物法で...
羽黒山中腹・南谷“芭蕉ゆかりの地”きれいに 羽黒小伝統の清掃奉仕 史跡整える
松尾芭蕉が「奥の細道」で1週間滞在した鶴岡市の羽黒山中腹にある南谷で21日、地元・羽黒小学校(八渡宗一郎校長)の子どもたちが伝統の清掃奉仕を繰り広げた。熊手を使ってスギの枯れ葉を集め“芭蕉ゆかりの地”...
ホワイトアスパラ無償提供 音更・竹中農場が帯広の仏料理店へ 恩人に感謝
音更町の竹中農場(竹中章代表)は、農場で収穫するホワイトアスパラガスを、フランス料理店「メゾン・ド・ルミエール」(帯広市西8南14、奥村彰教オーナーシェフ)に無償提供、同店で23日からホワイトア...
「日本一学生が活躍するまちづくり」始動 若者の視点で施策吟味【宇部】
宇部市は21日、学生と一緒に市の事業を企画・提案する「日本一学生が活躍するまちづくりワークショップ」の第1回を山口大工学部の「志イノベーション道場」で開催した。公募に応じた県内の学生43人が...