96歳で初の個展 南画描き半世紀の山本さん

96歳で初めての個展を開く山本琴花さん(和歌山県田辺市高雄1丁目で)
半世紀余りにわたって南画を描いてきた和歌山県田辺市高雄1丁目の山本茆子(雅号=山本琴花)さん(96)が16、17の両日、JR紀伊田辺駅前の田辺エンプラス(田辺市湊)で作品展を開く。個展を開くのは初めてといい「ささやかだが、これまでの学びの記録を皆さまに見ていただければ。人生最後の楽しみの一つ」と話している。
山本さんが南画を描き始めたのは40代の初めごろ。知人に誘われて、上富田町在住だった南画家・稲田米花(1890~1985)の画室を訪ねたことがきっかけだった。
「すーっとした筆運びの中に、色の濃淡があり、力がある。景色の中に点を一つ描くだけで、ものをいう」。その魅力に引かれ、志願して弟子入りした。
家業だった時計店の仕事に加え、家事や子育てもこなしながら、墨絵の世界に没頭。南画の基本の題材である「四君子」(蘭、竹、菊、梅)を繰り返し描いた。
日本南画院展では、入選6回、奨励賞2回。家族の介護などで筆を休める時期はあったが、現在まで描き続けてきた。
「墨の難しさは限りない。絵を描き始めると、時間を忘れて夢中になってしまう」と山本さん。料理の合間に机に向かい、鍋を焦がしてしまったことがこれまで何度もあったと笑う。
師匠が亡くなった年齢に並ぶようになったことで「先生に学んだ昔ながらの南画をいまの人たちにも見てほしい」という思いが湧くようになり、初めての個展を開くことになった。
作品展には額装や掛け軸、色紙など約80点を出品する予定。体験コーナーも設けるという。「時代とともに、南画を目にする機会も少なくなった。手作りの展覧会だが、楽しんでいただければ」と話している。
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