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送迎バス付きキャンプ場提言 公益大ボランティア「酒田おもてなし隊」「悠々の杜」活性化策まとめ発表

 酒田市山楯の里山「悠々の杜」の拠点施設「アイアイひらた」で18日、同市の東北公益文科大観光ボランティアサークル「酒田おもてなし隊」=須藤瞳隊長(21)、67人=が、悠々の杜一帯の活性化策について調査研究してきた成果を発表した。特に若い世代の利用促進を図ろうと、今春から3グループに分かれ検討を重ねてきたもので、送迎バス付きのキャンプ場など若者らしい斬新なアイデアを提言した。隊員たちは今後、関係者と共に可能なものから実践していく方針。

悠々の杜一帯の活性化について提言

 おもてなし隊は2014年6―9月に行われたJRの観光キャンペーン「山形デスティネーションキャンペーン(DC)」に合わせ、同DCを学生の立場から盛り上げようと結成。JR酒田駅に降り立つ観光客の歓迎をはじめ、自分たちで情報収集した庄内地域の観光情報の発信など多彩な活動に取り組んでいる。

 一方、悠々の杜は、アイアイひらた周辺に位置する市有地を中心とした広さ約7・4ヘクタールの里山。市民有志らで組織する悠々の杜推進協議会(会長・矢口明子副市長)が自然学習の場、憩いの場として保全。年間を通じ会員たちが下刈りなど整備している他、児童・生徒による森づくり体験、植樹、遊歩道整備など多彩な活動を展開している。

 「アフターコロナ」を見据えて今回、若者の認知度向上、特にファミリー層を中心としたファン開拓、温泉以外のコンテンツ開発など一帯の活性化に若者の視点を取り入れようと、協議会がおもてなし隊に協力を依頼。須藤隊長はじめ隊員たちは今年4月以降、▽アイアイアひらた館内▽土産売り場▽悠々の杜一帯―の3グループに分かれ、それぞれ現地を訪問したり、関係者から話を聞くなどした他、検討を重ね、このほど提言としてまとめた。

 発表会では、矢口副市長、遠山浩一JR酒田駅長、赤塚枝美東部中校長、旅行エージェントの代表らを前に、3グループがそれぞれ活性化に向けて提言。このうち悠々の杜一帯を考察したグループのテーマは「繋(つな)ぐキャンプ」。周辺を取り巻く現状を分析、生かすべき強みとして▽景観▽衛生面▽解放感―の3点、改善すべき弱みとして「山奥にあって車以外で行けない」を挙げた上で、送迎バス付きのキャンプ場としての活用を提案。従来のキャンプと差別を図るポイントとして、隊員たちは「基本的なキャンプ・遊び道具は貸し出し可能で、手ぶらで来てもらう。近くに温泉があるのは何よりも強み」と述べ、「悠々の杜・アイアイひらたと若者、自然、未来をつなげたい」と続けた。

 発表会終了後、須藤隊長は「おもてなし隊として活動してきた中で、このような機会は初めてだったので緊張した。自分なりの言葉でまとめることができて良かった」と活動を振り返り、「経験を今後の活動に役立てたい。まずは今回出した企画を実現させたい」と話した。隊員たちは今後、悠々の杜推進協議会、酒田観光戦略推進協議会と共に提言に磨きを掛け、可能なものから実践していくことにしている。

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