自家農産物でのもてなし学ぶ 食と農のビジネス塾
山形大農学部に事務局がある「食と農のビジネス塾」の視察研修が7日、鶴岡市藤島地域野田目の日本料理「わたなべ」で行われた。同店はUターンしたオーナー料理長・渡部賢さん(43)の店。春夏6カ月はつや姫、雪若丸など稲作11ヘクタールと自家用野菜を栽培。毎年11月から半年間が料理店という二期体制。今年で6年目になる。
米作りでは「つや姫」が松柏会(鶴岡市)の新米コンテストで入賞するほどの技術の持ち主。料理店は地産地消の農家レストランの位置付けで、50~60代の女性客でにぎわっている。
調理師として都内で勤めていた頃は「地下の厨房で調理してばかりの人間だった」と言い、帰郷して実家の農業を継ぎ、冬場料理店を開くという段になって「開業のための各種届け出から始まって慣れないことの連続だった」と振り返り「水稲栽培もなめてかかれる部分は全くなかった」と話したが、ご飯も「つや姫」のおいしさを打ち出すことで客が増えた。
ビジネス塾1期生の荻原優太さん(36)=鶴岡市大山在住=も従業員として、料理・デザート作りで加わり、料理説明も行うなどさらなる人気を獲得した。
この日は5期生の研修。“心掛けていることは?”の質問を受け「自分が作って楽しくなった減農薬の野菜を料理してお客さんを満足させること」と応じ、日本酒も酒米・出羽燦々の純米大吟醸酒「藤島」を用意するなど、地元尽くしで、もてなしに努めていることを語った。塾生は地産地消をキーワードに起業を思い描く人が多く、参考になった様子だった。
地元の農産物を“おいしく提供したい”と話した渡部さん
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