県工芸公募展で技術賞を受賞した宮平律子さん＝26日、県立図書館

　【那覇】伝統的な技術・技法に根差し、斬新なデザインと機能美のある工芸品を募集する第43回県工芸公募展（県主催）の表彰式が26日、県立図書館であり、一般部門で石垣市大川の宮平律子さん（60）の八重山上布の作品が技術賞に輝いた。

　宮平さんの作品「スティチンファー（蘇鉄の葉）」は、古典的なかすり模様に緑の濃淡をつけ、ソテツの新芽を表現。かすり模様を見た時に虫かごや首飾りを作って遊んだソテツの葉を思い出し、制作意欲が沸いたという。

　濃淡をつけるためくくりと染めの工程には従来の2倍の時間を要した。宮平さんは「とても大変だったが、表現したかった。受賞は信じられないが、先生方がしっかりと教えて下さったおかげ。今後も初心を忘れず基礎をもっと勉強して技術を磨いていきたい」と意欲を語った。

　審査委員長で漆芸家の糸数政次氏は「素晴らしい作品ばかりだった。受賞をバネにいい作品を今後も作ってほしい」と総評した。

　作品展示会は行わず、受賞作品は県ものづくり振興課のホームページで来年2月ごろに公開する予定。