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荘内日報社

山里に冬の訪れ告げる 出羽三山神社「松の勧進」

 出羽三山神社の「松の勧進」が15日、羽黒山門前町の鶴岡市羽黒町手向地区で始まった。山伏たちのほら貝の音が山里に響き渡り、冬の訪れを告げた。

 松の勧進は例年、大みそかから元日にかけて羽黒山山頂で行われる同神社の大祭「松例祭」(国指定重要無形民俗文化財)の浄財を集める伝統行事。同祭主役の松聖(まつひじり)2人が小聖(こひじり)ら山伏を従えて家々を回り、無病息災や家内安全のお札を納める。

 今年の松聖の位上(いじょう)は小林庸高(山伏名・良栄)さん(66)、先途(せんど)は芳賀耕作(同・月海)さん(72)が務める。手向地区の2人は9月24日からの100日修行に入り、本来は自宅と羽黒山中の斎館に50日ずつこもるが、今年は新型コロナウイルス感染症対策として斎館での参籠を短縮する一方、自宅参籠を長くするなど対策を講じた上で修行を積んでいる。

 この日は雲一つない晴天に恵まれ、色づきの増した紅葉が青空に映えた。午前8時半ごろ、山伏を従えた松聖一行が同神社社務所を出発し、門前之宮天地金神社などを参拝。ほら貝の音とともに練り歩く松聖一行に、海外の人や多くの参拝者がカメラのレンズを向けていた。その後、山伏たちは宿坊街の家々を順番に回っていった。松の勧進は今月21日まで羽黒地域を回り、来月1日から旧鶴岡市内に入り、年末まで庄内全域を巡る。

羽黒山の門前町・鶴岡市羽黒町手向地区で松の勧進が始まった

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