北限の「檜山茶」産地で初摘み

ボランティアも協力した檜山茶の初摘み(能代市桧山字茶園で)
「北限の茶」として知られる檜山茶の生産地である能代市桧山の大高園で24日、新茶の初摘みが行われた。昔ながらのかすり着にあねさんかぶりの女性らが淡い黄緑色をした新芽を摘み取った。収穫した茶葉は手もみで製茶し、6月中旬から市内の店舗で販売される。
檜山茶の畑は桧山城近くの杉木立に囲まれた一角にあり、京都宇治茶の在来種を手摘み、手もみといった古来から続く製法で生産している。280年前の江戸期から栽培されていたが、戦後の食料難で多くが野菜農家に転向し、茶農家は2軒まで減った。
寒冷地にあるため一大産地である静岡や京都などより作業の開始が1カ月遅れる。立春から88日目に当たる八十八夜(5月2日ごろ)が一番茶の摘み頃とされるが、檜山茶は5月下旬から6月上旬に摘み取る。
大高園の茶畑(15㌃)では24日に初摘みが行われ、大高家の親戚やボランティアなど5人が参加。かすり着にあねさんかぶりの女性らが日光が差し込む杉木立の茶園で、若芽と周辺の柔らかい2枚の葉を一緒に採る「一芯二葉」の方法で丁寧に摘み、かごに入れていった。
園主は「暖冬の影響で新芽が出るのが例年より1週間ほど早い。がんがん芽が出ており、今年もいい出来栄えだ」とうなずいた。
大高家の親戚に当たる木名瀬カズ子さん(72)=同市大瀬侭下=はかすり姿で参加し「檜山茶は手もみの昔ながらのやり方を崩さずに、280年も続いてきた。伝統がなくならないよう、後世に受け継いでいってほしい」と願った。
大高園では生葉を10㌔収穫し、乾燥させて2㌔ほどを製品として同市柳町の旧料亭金勇などで販売する。摘み取りは三番茶の8月下旬ごろまで行われるという。
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