日フィル、満員の観客魅了 宇部興産グループ慈善コンサート【宇部】
迫力ある演奏を披露する日本フィルハーモニー交響楽団(記念会館で)
第12回宇部興産グループチャリティーコンサートは13日、記念会館で開かれた。約1300人のクラシックファンが、日本フィルハーモニー交響楽団の演奏を堪能した。宇部興産主催。渡辺翁記念文化協会、宇部好楽協会共催。
今回は来年生誕250周年を迎えるベートーベンの名曲、ピアノ協奏曲第5番「皇帝」、交響曲第6番「田園」を演奏。指揮は第7回でもタクトを振った梅田俊明さん。ソリストに世界で活躍する気鋭のピアニスト、福間洸太朗さんを招いた。 1部の「皇帝」は、福間さんが曲紹介で「華やかで遊び心が散りばめられており、演奏するたびにポジティブなエネルギーをもらう曲。そのエネルギーを届けたい」と語った通り、情感込めたピアノ独奏で聴衆を引き込んだ。演奏が終わると大きな拍手が沸き起こり、福間さんは異例のアンコールで応え、プーランクの「ノヴェレッテ」第1楽章を披露した。 2部の「田園」は、ベートーベンの交響曲の中で標題が記された唯一の作品。各楽章の情景を重厚なサウンドで表現して楽しませた。アンコールは交響曲第5番「運命」の第1楽章を披露し、聴衆に応えた。
演奏会後には、福間さんの限定サイン会も行われた。西岐波山村後の為末真理さん(32)は「ピアノが好きで、今回のコンサートを楽しみにしてきた。ゲネプロ(最終リハーサル)も見学できて、本番と2回も生演奏を聴けて良かった」と感動していた。 同コンサートは、音楽を通じて宇部の文化振興に寄与しようと2008年から同社が実施。入場料収入は全額、地域の音楽文化向上のために寄付している。
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