長野県箕輪町南小河内に古くから伝わる厄よけ行事で町無形民俗文化財「おさんやり」(同区盆祭実行委員会主催)が16日夜、同区内で行われた。全長約10メートルの巨大な柴舟が巡行し、地域の災厄を払う伝統の行事。住民が力強く柴舟を担いで区内をくまなく練り歩き、地域の安全や無病息災を願った。
おさんやりは江戸時代に天竜川と逆方向に流れる水路「大堰」を介して疫病がまん延した際に、舟に見立てたみこしで清め流したのが起源とされる。江戸時代後期ごろから、地域行事として伝えられている。
柴舟は、区内を巡行した後に「お舟壊し」されるため、毎年実行委員によって制作。今年も13日に住民約30人の手によって区内の林から切り出したナラやカラマツを使い、全長約10メートル、高さ約3・5メートル、重さ約600キロの堂々とした舟に仕上げられた。
同区の堂の前広場を午後4時前に出発した柴舟は、約2時間かけて区内を巡行。同8時30分ごろから、垂直に立てたナラの木をぐるりと一回りし、粉々に打ち壊す「お舟壊し」を行い、破片は厄よけとして住民が持ち帰った。
実行委員長の窪田研一分館長は「毎年夏に行う行事が区民のまとまりを強めている。人口減少時代にあって横のつながりは大切。行事をきっかけに地域活性化につなげたい。行事を今後も大切にしていきたい」と話していた。
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