SBC学校科学大賞 上農高緑地班が優秀賞
支援してもらった「こうあ木工舎」のスタッフと写真に納まる緑地班の生徒(前列)
上伊那農業高校(南箕輪村)の緑地創造科と緑地班は、2017年度に取り組んだ「アカマツ端材チップの有効利用に関する研究」で第16回SBC学校科学大賞の優秀賞を受賞した。緑地班の班員4人は30日、資材提供などで支援を受けた村内の工房「こうあ木工舎」を訪ね、受賞を報告し、研究への協力に感謝した。
同班が取り組んだ研究は▽アカマツ・ヒシ混合堆肥とアカマツチップ炭の組み合わせによる効果の検証▽アカマツ・ヒシ混合堆肥の効果検証実験▽アカマツ・ヒシ混合堆肥作製方法確立に関わるデータ収集―の3本。夏場の諏訪湖で大量繁茂する水草ヒシと伊那谷産アカマツの端材チップを有効活用する視点や、地域貢献面の可能性が評価された。
緑地班では校内で発生する果樹の剪定枝の有効活用の一環で炭づくりを研究したのをきっかけに、14年度に炭の素材をアカマツに切り替え、15年度からはヒシを加えた堆肥化の研究に取り組んでいる。今年度は過去の実験結果を踏まえ、アカマツ端材チップを細粒化することの効果を試し、アカマツ端材チップで作った炭と、ヒシを使った完全発酵堆肥を投入した土壌で小松菜を栽培し、収量等を確かめた。
工房にはともに緑地創造科2年の小森惇太班長、松島さらさん、宮島沙暁さん、橋本晨平さんが訪問し、研究の成果を披露した。小森班長は「この研究を継続して、地域に方々に使ってもらえるように広めたい」と話した。
こうあ木工舎は、木材加工の過程で発生するアカマツの切削くずを、同班に提供している。工房を運営する「やまとわ」の中村博代表取締役は「切削くずも資源。使ってくれればアカマツという森林資源が有効に利用され、山の整備にもつながる。賞をいただけるような研究になんらかの形で関わることができてうれしい」と話していた。
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