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北羽新報社

中国木材能代工場で乾燥設備の運転始まる

中国木材能代工場に整備した木材乾燥機(能代市扇田)

 能代市扇田の能代工業団地で建設が進む中国木材能代工場で、加工した用材の水分を抜く乾燥設備の運転が始まった。蒸気を使って木の含水率を一定水準まで下げる作業で、品質を左右する重要な工程。寒冷地で育った秋田杉の特性に合わせた調整を進めている。5月には加工ライン、7月には集成材ラインが完成する。

 新たに整備した木材乾燥設備では、今年1月から稼働している製材棟で加工した「ラミナ」(集成材を構成する板材)や、住居の間柱、垂木、筋交いなどに使われる小割(羽柄材)を乾燥する。
 木材を乾燥させるのは、水分の蒸発により製品が収縮して反ったり、曲がったりしないようにするため。水分が抜けることで強度と耐久性が向上するほか、木材の表面が安定することで接着剤や塗料がしっかりと密着する利点もあり、大事な工程となる。
 大きな箱型をした乾燥設備は複数の釜から成り、120度以上の蒸気で用材の水分を蒸発させる「高温乾燥機」と、85度以下の蒸気を当てる「中温乾燥機」の2種類を整備した。高温乾燥機は一度に50立方㍍の容量まで対応でき、断面の大きな用材が対象。中温乾燥機は小割など乾きやすい製品に対応する。含水率20%以下になるまで1週間から10日ほどかけて水分を抜く。
 乾燥工程で木材が縮むことを想定し、最初の加工段階で大きめに切断して乾燥機にかける。乾燥後にプレーナーと呼ばれる専用のカンナで表面を削り、最終的に直径105㍉の角材に仕上げる。材料となる秋田杉丸太は米代川流域などから調達している。
 工場長を務める松浦健次郎能代事業本部副部長(52)は「天日干しをすれば乾燥期間は5日程度に短縮しコスト削減になるが、木の収縮率など秋田杉の特質を見て調整する必要がある。九州や関東の木と秋田の木は違うので、地域の特性に合ったものにするため試行錯誤している」と話す。
 乾燥設備に併設する加工・集成材棟は長さ、奥行きとも200㍍の平屋建てで、加工ラインは5月に本格稼働する。乾燥設備で人工乾燥し終えたラミナを加工ラインに移してカンナで削り、7月稼働の集成材ラインで張り合わせて製品を完成させる。8年冬の完成を目指すバイオマス発電所では製造過程で出た端材を燃やして発電し、4年4月に始まった再生可能エネルギーのFIP制度を活用して特定の企業に売電する計画だ。
 製材、加工の生産拠点が国内に八つある中国木材は、加工と集成材の製造ラインを別々に整備しているが、能代工場は寒冷地仕様として一つの建屋内にまとめた。松浦工場長は「能代は降雪があるので、用材を屋外に出さずに済むようなつくりにする。積雪対策を図りつつ作業の効率化、省力化につなげたい」と話す。

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