早期解禁で日高川に繰り出した釣り人(1日、田辺市龍神村湯ノ又で)

　日高川で1日、アユ釣りが早期解禁された。和歌山県田辺市龍神村を流れる日高川は平水で濁りがなく、待ちかねた釣り人がさおを出した。早期解禁は19日までで20日から一般解禁となる。

　この日、午前3時に京都市の自宅を出て自動車で来た釣り歴60年の中喜十郎さん(80)と同30年の妻なつ子さん(70)は、7時半ごろから龍神村湯ノ又の日高川本流で釣り始めた。45年前から龍神村で釣っているという喜十郎さんは「正月すぎから仕掛けを作って、この日を楽しみに待っていた」、なつ子さんは「自然が豊かな龍神の雰囲気は最高」と友釣りを楽しんだ。 　県資源管理課によると、1日から早期解禁をしているのは日高川と有田川で「日本一早いアユ釣りの解禁」と紹介している。紀南地方の河川で日高川以外に5月中に解禁するのは日置川で26日。 　日高川漁協(日高川町松瀬)によると、人工産の大型アユの放流を今年も春先から実施。6月にも放流する予定。遡上(そじょう)してきたアユを椿山ダム下流で採捕し、ダム上流へ放つ「くみ上げ」を今年もして早期解禁に備えたという。 　初日の水温は龍神村で午前6時現在、12度と低めだった。 　アユ釣りは入漁券が必要。日高川での早期解禁からの年券は1万4040円、一般解禁からの年券は1万800円。日券は3240円。小中学生と身体障害者(3級以上)と女性は半額。 　日高川漁協では、テレホンサービス(0738・52・0339)やホームページで釣果などの情報を発信している。