被災地に植樹 目標本数を達成

災害現場の斜面に植樹する住民ら(田辺市伏菟野で)
2011年9月の紀伊半島大水害で土砂災害に遭った和歌山県田辺市伏菟野の住民らが10日、被災地で植樹作業をした。「現場をサクラとモミジの名所にしよう」と毎年続けてきた活動も5回目を迎え、目標だったサクラ400本、モミジ150本を達成した。
伏菟野地区は水害時、山の深層崩壊が起きて5人が亡くなるなど、大きな被害を受けた。
植樹は、もともと紅葉がきれいだった現場をサクラとモミジの名所にしようと、地元の住民らでつくる「伏菟野の明日を考える会」(会長=宮永昌幸区長)などが2015年から毎年この時季に取り組んできた。
この日は住民ら約40人が参加し、サクラ100本とモミジ80本を植樹。寒空の下、高さ2~3メートルの若木の根元に次々と土を掛けていった。作業後は、水害からの復興を目指して地元で栽培しているキクラゲ入りのおにぎりが振る舞われ、みんなで頰張った。
畜産業の打越章介さん(70)は「こうしてみんなで集まって作業できるのはうれしい。春になってサクラの花が咲くのが楽しみ」と笑顔をみせた。
目標本数に達したため、一斉での植樹は今回で一区切りにする予定。今後は、有志で補植していくという。
災害当時の区長で、世話人の谷口順一さん(69)は「去年の春は、地区の外から花見に来てくれた人たちも何組かいた。今年はもっとたくさん来てくれると思う」と期待を込めた。宮永区長(67)は「今後はサクラまつりのようなイベントも開ければ」と話した。
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