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長野日報社

待ってました中尾歌舞伎 1年半ぶりに上演

1年半ぶりに再開上映された中尾歌舞伎

 伊那市無形民俗文化財の「中尾歌舞伎」が29日、約1年半ぶりに同市の長谷伝統文化等保存伝習施設・中尾座で上演された。開演1時間前から会場は満席になり、立ち見も出る盛況ぶり。伊那谷に残る民俗芸能の再開に、観客から大きな声援とおひねり、惜しみない拍手が送られた。

 中尾歌舞伎は江戸時代から地域に残る地芝居で、第2次世界大戦で一時途絶えたが、1986(昭和61)年に地元の青年たちが保存会を立ち上げ復活。春と秋に定期公演を行っていたが、高齢化などにより保存会員数が20人ほどまでに減少。会員個人の負担が大きくなり2016年11月の秋季公演を最後に活動を休止した。

 市内外から休止を惜しむ声が挙がり、17年4月には伊那谷の農村歌舞伎を題材にした映画「Beauty」でメガホンを執った後藤俊夫監督を招き、「中尾歌舞伎応援イベント」を開催。残された保存会員だけで公演の再開を決めた。その後も保存会を支援する後援会組織の設立が決まり、再開公演を後押しした。

 今回上演されたのは「御所桜堀川夜討 弁慶上使の段」で、出演者が5人と少数だが保存会得意の演目。弁慶が主君・義経の正室を生かすために、名乗りすら上げていなかった自分の娘を、身代わりにして手を掛けるあらすじ。役者たちの迫真の演技に、観衆が固唾をのみ、出演者の苗字の「中村屋!」の掛け声が送られた。弁慶が見得を切る場面では舞台いっぱいにおひねりが飛んでいた。

 保存会の西村篝代表は「今までで一番の観客の入り。こんなにも多くの人が中尾歌舞伎を待っていてくれてうれしい。今後も地域文化伝承のためにも公演を続けたい」と話していた。今回はこれまでの公演で初めて、前座を上演。長谷小学校4年生が「孝行猿」の演劇を披露した。

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