
西表小中、白浜小、船浮小中の合同平和学習で戦時中の話をする石垣金星さん(中央)=11日、祖納
【西表】西表小中学校(宮城弘之校長)と白浜小学校(宮里政次校長)、船浮小中学校(上原秀樹校長)の合同平和学習会が11日、西表小中学校で行われ、石垣金星氏を講師に祖納集落内の防空壕(ごう)や上村砲台跡、新盛家を見学した。
日差しは強かったが防空壕はひんやりと薄暗く、金星さんが子どものころ隠れて遊んだ話をすると児童たちは「暗いのに怖くないのかな」と話していた。
事前に金星さんや教諭が道を開いたやぶの中に、昭和16年に造られた上村の砲台跡があり、「(兵隊は)雨や攻撃の時には横の穴に隠れて過ごし、この先の井戸で水をくんでいたようだ」と話した。
上村から美しく青い海を眺めながら農道を歩いた児童生徒は「船浮は2人を残して移住させられ、白浜は焼け野原となった。こんな場所で機銃掃射があったら横のやぶに隠れるしかなかった」と聞き、戦時中に思いをはせた。
慶来慶田城翁屋敷跡前から、砲台を運んだ時に石が崩れことし3月に修復が終わって開通したピサダ道を下り、大平井戸を見て、新盛家では室内の木戸に機銃掃射で開いた穴を見た。
当時、母親のおなかにいたという金星さん。空襲時に母が前泊御嶽の後ろの森に隠れて「生かされた」こと。子どものころ食料を手に入れるのに苦労したことなどを話し、「絶対に戦争はいけない」と強く訴えた。
児童生徒は「暑い中、防空壕にいたなんてすごい」「戦争は良くない。食べ物がなくて死ぬ人がたくさんいたと思う。自分も死にたくない」「戦争が起きないように考えていきたい」「ここでも戦争があった。今後もちゃんと『見て』、戦争について学びたい」とそれぞれ感じたことを話していた。 (曽根田容子西部通信員)
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