イグサ栽培復活 本原さん、収穫喜ぶ
「ようやく収穫できる」と喜ぶ本原正将さん=14日午前、平得地底の水田地帯
20数年前に栽培が途絶えた、畳表の原料となるイグサの復活に、石垣市内で国産畳表専門店を営む本原正将(まさのぶ)さん(43)(本原畳店代表)が5年前から取り組んでおり、ことし初めて収穫ができるようになった。平得地底の水田で昨年11月に植え付けた3000株が高さ約120㌢にまで成育、青々と茂った。本原さんは14日、「ようやく収穫できるようになった」と喜び、刈り取り作業に追われた。
本原さんや関係者によると、石垣島でも20数年前は栽培から乾燥、選別、製織まで行われていたが、住宅居室の洋式化や安価な外国産の輸入などで畳の需要が低下したことを受け、栽培する農家がいなくなったという。本原さんは、中学生のころに火葬場近くの倉庫に父親と畳表を買い付けに行ったことを覚えている。
イグサは現在、県内では唯一うるま市与那城照間で栽培・製織が行われており、父親が5年前、買い付けの際に5株を譲り受けたのを機に栽培に着手。3000株まで増やしたが、昨年は失敗。「肥料を入れるタイミングや量など栽培方法が分からず枯らしてしまった」という。
これを受け、昨年11月に植え付け以降、照間に出向いて直接農家から指導を仰いだり、資料の提供を受けたりして栽培技術を学んだ結果、成功した。
栽培面積は約330平方㍍で、100枚程度の畳表がつくれるという。将来的には5000平方㍍まで拡大したい考え。今回収穫したイグサは乾燥機にかけた後、照間に選別、製織を依頼する。できあがった畳表には、商標登録中の「八重山育ち」と命名する。
本原さんは「地元産のものを使おうと5年前から栽培に取り組み、ようやく収穫できるようになった。これもたくさんの方々の応援と力があったから」と感謝、「年内にはイグサ用のハーベスターを購入し、来年には選別機、織機も導入して、すべて地元でできるようにしたい。これができれば仕事も楽しくなる。差別化も図れる」と張り切っている。
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