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北羽新報社

昨夏の大雨被害乗り越え9カ月ぶり営業再開 能代市のカフェ「SHANTI」

浸水被害を受けた店舗をリフォームし、リニューアルオープンする「Dining cafe SHANTI」

 昨年7月の記録的大雨による能代市・悪土川の氾濫で店舗兼自宅が浸水被害を受けた同市松長布のカフェ「Dining cafe SHANTI(ダイニング カフェ シャンティ)」が、24日にリニューアルオープンする。市内外の飲食店の協力による出張販売やクラウドファンディングなどで再開資金の一部を集めながら、店舗をリフォームして準備を整え、9カ月ぶりに営業を再開。店主の金澤亜都子さん(47)は「再開を目指す中で多くの人の優しさに助けられてきた。みんながゆっくりできる癒やしの空間を提供したい」と話している。

 岩手県山田町出身の金澤さんは、趣味のツーリングで知り合った夫との結婚を機に能代市に移住。バイク仲間に自宅で手料理を振る舞って喜ばれた経験から、「少しでも癒やしの場所を提供できたら」との思いで、令和元年6月に同店をオープンした。
 「SHANTI」は、サンスクリット語で心の安らぎや平和を意味する。店舗は赤い扉を目印に、スフレパンケーキをはじめ、自家製ローストビーフやパスタなどのメニューで老若男女に親しまれてきた。県内外からバイカーが集うカフェにもなった。
 昨年7月、店舗兼自宅1階が豪雨による悪土川氾濫で浸水被害を受けた。隣接するガレージは150㌢ほどまで水が上がり、店内も床上90㌢まで浸水。大型オーブンや冷蔵庫、パソコンなど電化製品や調理器具などは全滅した。
 子連れでも気軽に来店できるようにと、キッズスペースを設けるために店舗を改装し、リニューアルオープンを1週間後に控えていた。「本当に悔しくて、悲しくて。今まで来店してくださったお客さん一人ひとりの笑顔がフラッシュバックした」と、避難先の夫の実家で一晩中泣いた。
 避難後も店舗が心配で、何度も様子を見に足を運んだが、周辺は氾濫が続いて近づくことができなかった。2日後にようやく水が引いた後、友人や常連客が駆け付け、片付け作業を手伝ってくれたり、段ボールや雑巾などを提供してくれたりして励まされたという。
 大雨による浸水の恐れがあることから店舗の移転も考えたが、「たくさんのお客さんに親しまれ、定着してきたところだった。出発地点のこの場所でまたお客さんの笑顔を見たい」と決意した。
 休業中は、市内外の飲食店などの協力でローストビーフの出張販売を行い、地域のイベントにも出展。クラウドファンディングにより再開資金の一部を集めるなど活動に取り組んできた。
 営業再開に当たり、店舗をリフォームして厨房(ちゅうぼう)にステンレス材を使用したり、店内床に水抜き箇所を作ったりと水害対策を施した。店内は以前より2倍ほど広く、キッズスペースを新たに設け、座席数もこれまでの12席から16席へ拡大。リニューアルを機に新メニューも考案し、よりオーガニックにこだわったほか、店内の赤い扉の横には、壁にステッカーを貼って天使の羽をイメージしたかわいらしいフォトスポットも用意した。
 金澤さんは「豪雨被害を受けて大変だったが、休業中に新たな出会いがあり、たくさんの人の優しさに触れることができた。人とのつながりや地域の良さを知ることができたことをプラスに捉え、癒やしの空間を提供していきたい」と話した。
 営業時間は午前10時~午後4時(同3時30分ライストオーダー)。火曜日定休。問い合わせ、予約は同店(☎0185・54・1042)へ。インスタグラムなどSNSによる問い合わせも受け付けている。

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