釧路新聞社と日本棋院釧路支部が主催する囲碁の名人位と本因坊のタイトルを獲得し、中学生にして釧根のアマチュア界のトップの座を守る伊東信義九段格（１４）が全国囲碁大会で２週連続で第４位の好成績を収めた。指導する尾越一郎九段は将来はプロへの道を目指している弟子の活躍に「メンタルが強くなった。これから良い方向に行けば…」と着実な成長に期待を寄せている。

　釧路市立共栄中学校で今春３年生となる伊東信義九段格は３月１６、１７日に東京で行われた毎日新聞社主催の第２７回クレスコ杯ジュニア本因坊戦で４勝１敗の好成績で第４位に。昨年は３勝２敗の成績に止まっていただけに今年は１ランク上の成績を残した。引き続き次週の３月２３、２４日に京都で行われた全国こども囲碁普及会が主催する第２７回ボンド杯全日本こども囲碁大会でも、４勝１敗の好成績で第４位を勝ち取った。

　伊東九段格は「どちらの大会も４勝を目標にしていたので、達成することができて良かった。ライバルはいっぱいいるので、もっと強くなりたい」と意欲的だ。師匠の尾越九段は「ボンド杯では初日に敗れたが、翌日に３連勝して４位になった。負けを引きずらず、よく切り替えることできた。対局の後にも、振り返りをしていた」と精神面でたくましくなったまな弟子の成長ぶりに目を細める。

　伊東九段格は小学２年生の時に、釧路市生涯学習センターを拠点に活動している「くしろ子ども未来塾」（吉田敦子理事長）で日本棋院のプロ棋士、尾越一郎九段に出会った。釧路で囲碁の普及に取り組む尾越九段からの直接指導で、囲碁の面白みを知ってから本格的に取り組み、一時は内弟子となって実力を伸ばしてきた。

　釧根管内のアマチュア囲碁愛好者が出場するタイトル戦の名人位はすでに３期連続でトップの座を守り、永世名人位に就任。さらに、本因坊でも現在４連覇中で４月２８日には１０人総当たりのリーグ戦を勝ち上がった優勝者の挑戦を受ける予定だ。

２週連続で全国大会第４位となった伊東九段格