イスラム教の食事に理解 長野県伊那市の伊那谷民泊協議会が勉強会
イスラム教の教義にのっとった食事を体験する参加者
長野県伊那市の伊那谷民泊協議会(中村美里会長)と市地域おこし協力隊農家民泊デザイナーの篠崎希さんは10日、「イスラム教の食事」と題した勉強会を同市のいなっせで開いた。同協議会会員や観光関係者約15人が参加。イスラム教の教義にのっとった「ハラル」について理解を深め、ムスリム(イスラム教徒)の受け入れに備えた。
インバウンド(訪日外国人観光客)の増加に伴い、インドネシアなどムスリムの多い国や地域からの宿泊者も増えることが予想されることから、民泊受け入れ家庭向けに初めて開いた。
はじめに西アフリカのベナン出身で信州大学農学部(南箕輪村)講師のバグドウ・ファワズさんがイスラムの習慣や食事について話した。ハラルはアラビア語で「許容される」「合法的な」といった意味と説明。食べ物では特に豚肉は禁止で、ベーコンやハムなどの加工品、豚肉由来のゼラチンやエキス使用の料理や調味料も含まれると伝えた。
豚肉以外の動物の肉についても、アブラハムの宗教(イスラム教、キリスト教、ユダヤ教)の信者によって食肉処理されたものといった厳しい条件があることを紹介。食材を購入する場合はハラルの認証を受けているものを買うようアドバイスした。
続いて、市内でインドネシアの食材や料理の店を経営する有賀愛子さんによるハラル食を体験。厚揚げや鶏肉の唐揚げ、トウモロコシのかき揚げ、ゆでた野菜などの料理が並んだ。インドネシアは日本と同じ米食の文化で、日本の家庭でも手軽に作れると紹介。ただし、カレーはポークエキスが入っている可能性があると助言した。
参加者の女性は「いろんな細かいルールがあり、日本に来てもそれを守ろうとする姿勢に驚いた。学んだことを生かしながら受け入れていきたい」と話していた。
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