約４０年ぶりに館内和室の畳表を新調

長野県諏訪市湖岸通り４の重要文化財・片倉館は今月、館内全和室の畳表を約４０年ぶりに新調した。これを機にイベントや展覧会、会議など外部利用者への貸室事業に力を注ぐ。

同館は１９２８年（昭和３年）の建設。片倉健太郎館長によると貸室事業は当初から手掛け、地域や企業、団体の催事、行事に多く利用されてきたが、近年はコロナ禍で一時休館したことも響いて減少傾向という。

和室は１室１６・５畳～２１０畳の大広間まで全４室。約２９０枚の畳表を一新した。イグサの香りが館内に広がり、「心休まる空間になった」（片倉館長）。畳替えの作業中には、下敷きにした新聞の中に建設から建設翌年の日付のものもあり「歴史の重みを改めて感じた」という。

貸室は部屋により３時間６０００円～４万円、１日（午前９時～午後６時）１２０００円～８万円で提供する。片倉館長は「歴史的建造物ならではの格調と落ち着き、他にはない広い和室を提供できる。施設を使っていただくことで保護と維持にもつながる」として文化財保全への理解と協力も求めている。問い合わせは同館（電話０２６６・５２・０６０４）へ。