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長野日報社

旧「宮田宿」の建物 保存と活用考えるシンポ  長野県宮田村

シンポジウムで旧宮田宿の建物について話す横手義洋教授

長野県宮田村と村教育委員会、宮田村の景観を考える会は18日、江戸時代の宿場町、旧「宮田宿」のエリアに現存する建物や街並みの保存と活用を考えるシンポジウムを村民会館で開いた。参加した住民ら約110人が、基調講演や事例発表を通じ、地元に残る歴史的建造物の地域づくりへの生かし方を模索した。

村内では2017年度から5年間、東京電機大学建築学科の横手義洋教授(建築史)と学生が、旧宿場エリアを対象に建物の建築年代、構造、種類などを調査。これらを基に、地元の協議会が22年7月から24年度末の期間で「村文化財保存活用地域計画」を作成している。今回のシンポジウムは地域計画の周知や、大学による学術調査の成果発表などを目的に開催した。

講演で横手教授は、江戸時代に今の長野県と愛知県を結んだ伊那街道(三州街道)の宿場「宮田宿」について「建物群はバラエティーに富んだ町屋(町家)が多い」と説明。宿場全体の特徴としては「北側は1890(明治23)年の大火を免れたエリア、南側は大火で焼け、その後、土蔵造りの耐火性能を持った仕様にした建物が多くなっている」と報告した。

その上で、「街道に面した表側は商店などの公共性の高い建物、土間を通って奥へ行くとプライバシー性の高い空間が広がる」と紹介し、古い建物を活用する際は「表通りからプライバシー性の高い奥へ人を引き込むことで、表の要素を交える活用の仕方が出てくる」と指摘。街道の奥側も交流拠点や商業的要素を持った利用に適していることを示唆した。

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