山口大医学部（篠田晃学部長）で９日、医学科４年生の白衣着衣式が行われた。臨床実習を控えた１１２人が真新しい白衣に袖を通し、医師への決意を新たに、第一歩を踏み出した。

　式では始めに、能登半島地震の犠牲者に黙とうをささげた。篠田学部長は「病院実習では相手の立場に立つこと、無償の愛、社会通念上やらねばならない役割を果たすことを大切にしてほしい。まずは指導者に教わり、徐々に自主的にできるようになって。診療に関わる実力を付けて、いずれは周りを動かせる医師になってほしい」と訓辞。田邉剛医学科長が学生総代の吉村美賀子さんに医学生共用試験合格証を手渡した。

　同窓会・霜仁会の福田進太郎会長は「自分で考え、周囲と協力して医療に取り組むことを体感して。多くの人に支えられていることを忘れないで」と呼び掛けた。学生を代表して吉村さん、瀨戸口亮太さん、仲野未結希さん、古賀孝弥さんの４人が、同大のロゴ刺しゅうが入った白衣を篠田学部長らに着せてもらい、他の学生たちも袖を通した。

　吉村さんは「命に関わる現場に立つ責任の重みを感じている。医療人として誠実かつ謙虚な姿勢で患者に寄り添い、向上心を持って研さんを積む」と誓いの言葉を述べた。

　松永和人病院長も「どういう医師を目指すのか、改めて考えてみてほしい。患者を一番の師として成長して」と励ました。