都市部での仕事と農業両立 アグリ・スマートシティ実証実験【宇部】

全日空など3社、厚東で収穫体験
東京都に本社を置くANAグループなど3社が、宇部市内で「アグリ・スマートシティ」構想の実証実験を行っている。社員たちは市内に滞在してリモートワークをしながら、住民と交流し農業も体験。地域課題の解決や人材育成、関係人口の創出などの効果が期待されている。
地方に滞在しながら、ICT(情報通信技術)などを活用して都市部での仕事と農業などを両立し、豊かなライフスタイルや地域活性化を実現する「アグリ・スマートシティ」構想の実現に向けた実証実験。同グループ、NTTコミュニケーションズ、羽田みらい開発が、2022年から全国で実施しており、宇部市は5カ所目となる。
今回は公募で、三菱総合研究所、双日、全日空に勤務する3人が参加。滞在期間は22日から最長1週間で、26、27日は農事組合法人「ふるさと吉見」の協力の下、厚東地区の畑でキャベツの収穫を体験した。除草剤などをまく機械の運転では軟らかな地面に苦戦しながらも、自然豊かな雰囲気を満喫。地元産の米を使用したおにぎりやキャベツ料理を味わい、ワークショップなどを通して住民との親睦も深めた。
全日空でアプリ開発などを担当している奈良航希さん(25)は「社会課題を肌で感じ、自分たちがこれからできることを考えられればと参加した。普段できない体験もできて、すてきな取り組みだと思う」と話した。
ふるさと吉見の河村守浩代表理事は「参加者の視点はとても参考になり、互いに得るものがあると感じた。一番の課題である担い手不足の解決につながれば」と期待を寄せた。
ANA総合研究所によると、これまでのワークショップでは移住に対する意欲向上などの効果があったという。森孝司主席研究員は「将来的には継続的にリモートワークをしたい人と地域をつなぐシステムを構築できれば」と目標を語った。
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