日本一の国産コーヒーを

徳之島コーヒー生産支援プロジェクト事業を調印した4者の代表者ら=6月26日、伊仙町ほーらい館
味の素AGF株式会社(品田英明社長)は7日、東京都新宿区の本社で会見を開き、徳之島コーヒー生産支援プロジェクト事業の概要を明らかにした。鹿児島県徳之島産コーヒー豆の生産量増大に向けて、ビニールハウスの建築や苗木の供給などを支援する計画。同社と丸紅(株)、伊仙町、生産者会の4者で先月26日、事業の協定を結んでいた。4者は国産日本一のコーヒー生産を目指す。 徳之島では、徳之島コーヒー生産者会の吉玉誠一会長(72)が1982年にコーヒー栽培を始めた。国産コーヒーの可能性を模索していたAGFは徳之島コーヒーの味など品質の高さに着目した一方、台風や土壌のほか、収穫後に使用する精選機や焙煎機の不足などの課題を踏まえ、昨年から現地視察や事業実施に向けた協議を進めてきた。 生産支援の主な内容は苗木の提供やビニールハウスの建築、AGF専用農園でのコーヒー栽培、精選機や焙煎機といった共有設備の導入検討など。AGFは豆の購買や商品化の検討、丸紅はコーヒー豆の物流、保管管理などを担い、伊仙町はPR活動への協力などを行う。 2016年度の生産状況は栽培本数約600本、収穫量は約70キロ。5年後には栽培本数1万本、収穫量10トンを目標とする。 伊仙町内であった事業協定の調印式で、品田社長は「このプロジェクトは日本産コーヒーを将来的には海外の人にも飲んでもらう夢のスタートであり、苦労の始まり。日本一おいしい国産原料コーヒーを目指す。『日本のコーヒーと言えば徳之島コーヒー』といわれるようにしたい」と述べた。 丸紅飲料原料部の梶原和幸部長は「産地の持続的な生産を可能にする支援や品質へのこだわりなど、これまで学んできたことをプロジェクトに役立て、徳之島の発展に貢献できれば」と語った。 伊仙町は北緯27度33分に位置。海外の主なコーヒー産地が該当する北緯25度以南~南緯25度以北の範囲から外れている。吉玉会長は「徳之島が一大産地になれば、コーヒー栽培の常識を根底から覆す。世界最北端の生産地を狙う」と力を込め、大久保明町長は「どこにもない価値があるコーヒーの生産に期待したい」と話した。 同事業の期間は3年間。その後は支援内容を年次的に見直しながら事業を継続する。
関連記事
関東甲信 過去最速梅雨明け 諏訪地方もスッキリ青空 長野県
気象庁は27日、長野県を含む関東甲信地方が梅雨明けしたとみられると発表した。1951年の統計開始以来最も早く、平年より22日、昨年より19日早い。梅雨明けまでの期間は21日と過去最短だった。 ...
「野球始めるきっかけに」 元阪神・濱中さんが教室
田辺市出身で元プロ野球選手の濱中治さん(43)が25日、和歌山県上富田町朝来の上富田スポーツセンターで野球教室を開いた。 濱中さんは5月、野球独立リーグ「和歌山ファイティングバーズ」のゼネラ...
女子プロレス・ディアナ庄内大会 同郷の井上選手らとタッグ戦
佐藤選手 古里・庄内町で凱旋試合 庄内町余目出身の女子プロレスラー・佐藤綾子選手(36)の凱旋(がいせん)興行「ワールド女子プロレス・ディアナ庄内大会」が25日、同町総合体育館で行われた。メインイベ...
厚真神社お披露目 復旧した姿に笑顔 鎮守の杜マルシェ
胆振東部地震で社務所や鳥居などが大きな被害を受けた厚真神社の復旧をお披露目するイベント「鎮守の杜(もり)マルシェ」が24、25両日、同神社で開かれた。神事の茅の輪くぐりや手水舎(ちょうずや)に花々...