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北羽新報社

7年越し商品化 木製おもちゃ店頭販売へ 能代市の平山はかり店

平山はかり店が17日から店頭販売する「はかり組み木」(能代市上町で)

 能代市上町の「平山はかり店」は、秋田杉や広葉樹を使った棒状のパーツをバランスを取りながら組み立てる木製おもちゃ「はかり組み木」を商品化した。子どもが木の手触りや香りを感じて遊ぶうちに、集中力とバランス感覚を養おうという発想。平成29年からデザインの検討や試作を重ね、7年越しで販売にこぎ着けた。17日から店頭で販売する。

 新商品は、四角い穴が開いた棒「あなっこ」に細長い棒「ぼっこ」を差し込んでバランスを取りながら組み立てるおもちゃで、自分だけの形に展開できる。あなっこの素材はブナ、ナラ、クルミ、ヤマザクラといった県産の広葉樹、ぼっこは秋田杉を使用した。長さは15㌢、直径は1・4~2・4㌢。商標登録、意匠登録済み。
 店主の平山はるみさん(61)が「木都能代らしいおもちゃを作りたい」と考え、平成29年に開発に着手。埼玉県飯能市出身のおもちゃ作家で能代ふるさとPR大使の野出正和さん(57)から「バランスを測りながら組み立てる玩具」の提案を受け、試作を重ねてきた。
 野出さんがデザインし、棒状の部品は県北パネル(能代市二ツ井町麻生)が加工。商品化に向けあきた企業活性化センター(秋田市)に相談し、試作段階からAAREA(能代市河戸川、エリア)の協力を得た。しおりのデザイン、製作はリブウトアートワーク(同市緑町)が担った。秋田杉など地域産業資源を活用した商品化を支援する能代市の補助金(最大30万円)を活用した。
 角度の違うパーツの穴の深さや位置を調整しながら組み立てる。天秤はかりのように均衡する位置を探りながら組み立てる中で、手先を使うことによる集中力や、先を予測する思考力を育むきっかけになるという。木材の香りや感触、重さの違いも体感できる。
 野出さんは「組み立てても評価対象にならないのがいい。子どもたちが好き勝手に作るアートを楽しんでほしい」と話す。
 製作の過程では部品に開けた穴がきれいに仕上がらないなど課題が浮上。県内の木材会社を訪れるなどして改善を図り、試作から7年かけてようやく商品化にたどりついた。
 平山店主は「最初はオール秋田杉で作る予定だったが、穴を開けるには木の硬さが必要なことが分かり広葉樹を取り入れるなど試行錯誤した」と苦労を振り返り、「みんなで作った組み木をいろんな人に遊んでもらい、木の良さや木都能代を感じてほしい」と話した。
 同店は明治元年創業。天秤(てんびん)や分銅、物差し、定規、砂時計、フラスコなどの計量機器を販売している。近年は「測る・計る・量る」をテーマとした雑貨も扱っている。
 価格はあなっこ、ぼっこ各10個入りセットで9900円(税込み)。店頭でのみ販売する。

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