大雨により県内でも多くの被害を出した今年の梅雨。宇部市内では過去１５年間で最も降水量が多かったことが、山口宇部空港に設置されたアメダスのデータで分かった。６月の降水量は２３９・５㍉と平年並みだったが、７月は６００・５㍉と例年の約２倍。２カ月通算の雨量は８４０㍉となった。

　県内を含む九州北部地方の今年の梅雨入りは、平年より７日早い５月２９日、梅雨明けは６日遅い７月２５日だった。下関地方気象台によると、梅雨の期間は年により変動が大きいため、梅雨期間の降水量比較は、ほぼ梅雨時期と重なる６、７月の合計降水量で比較する。

　同空港の観測データによると、特に７月１日は一日だけで１９０㍉を観測し、一日の降水量としても過去１５年で最多だった。浸水などの被害が出た６月３０日～７月１日と７月８～１０日の大雨では、それぞれ２６９㍉、２６７㍉を観測。山陽小野田市厚狭で大規模な浸水被害が発生した２０１２年７月１２～１４日の３５９・５㍉には及ばなかったものの、半月の間に５００㍉以上の雨が降っている。

　一方で、２度の大雨では、市内で住宅被害が４９棟あったものの、人的被害は発生していない。市防災危機管理課では、短時間で激しく降るゲリラ豪雨が年々増え、判断が難しくなる中で、早めの避難情報発令など適切な情報提供ができたと分析している。