「サンドクラフト２０２３inみたね」が開幕。砂浜には世界の名作を題材にした砂像が並ぶ（三種町の釜谷浜海水浴場で）

　三種町ににぎわいをもたらす砂の祭典「サンドクラフト２０２３inみたね」が29日、釜谷浜海水浴場で開幕した。今年のテーマは「Ｓａｎｄ　Ｍｕｓｅｕｍ─砂で創る世界の芸術─」。砂浜には県外の作家や地元住民らが手掛けた「モナリザ」や「ダビデ像」、「風神雷神」などが砂像で登場し、見物客や海水浴客の関心を集めている。砂像の展示に加え、この日はイベントも多彩に繰り広げられ、浜辺は活気を見せた。

　サンドクラフトは釜谷浜海水浴場を会場に平成９年から毎年夏に開催。砂像の制作・展示を中心に据えた催しで、地域のにぎわい創出や交流人口の拡大につなげる。新型コロナウイルス感染拡大で令和２年は中止したが、今年で27回目を数えた。
　この夏は当初、イベントを29、30の両日に計画。新型コロナ禍以前のように２日間にわたる通常開催を目指していたが、今月中旬の記録的大雨を受けて１日に短縮。会場では義援金を募り、被災者支援イベントに位置付けた。
　砂浜には高さ３～０・９㍍の砂像約30基がお目見え。テーマに沿って世界的に有名な絵画や彫刻を題材にしたものも並び、このうち能代市生まれの砂像彫刻家、保坂俊彦さん（49）＝宮城県東松島市地域おこし協力隊員＝はレオナルド・ダビンチが描いた「モナリザ」を彫り上げた。
　訪れた人たちは、細部まで丁寧に仕上げられた作品の数々に視線を注いだ。北秋田市から家族で訪れた吉田嘉隆さん（80）は「どの作品も緻密に作られ、素晴らしい。日本海が広がる景色もまた良い」と話した。
　この日は、マリンスポーツの体験や特産品が当たる抽選会、音楽ステージ、海上花火ショーなどが行われ、にぎわいを見せた。飲食の出店も人気を集めていた。
　実行委員会の板垣秋範委員長は「多くの人が訪れ、うれしい限り。また、サンドクラフトを盛り上げようと、準備段階から若い世代などが携わってくれたことにも感謝している。サンドクラフトは代々の先輩たちがつくり上げ、その歴史も長くなってきた。30年、40年と次の世代に引き継いでいけるように今後の運営に当たりたい」と話した。
　砂像の展示は８月31日までで、日没からライトアップする。