ジュンサイ摘み取りの技を競った世界大会（三種町志戸橋で）

　ジュンサイ摘みの腕を競う「第10回世界じゅんさい摘み採り選手権大会」は2日、三種町志戸橋の阿部農園で開かれた。昨年はコロナ禍で県内在住者のみ対象としたが、今回は外国出身者を含む全国各地の老若男女約80人が参加。自然豊かな環境の中で小舟を操りながら、摘み取りの技術とスピードを楽しく競い合い、町の特産の魅力に触れた。

　大会は、町森岳じゅんさいの里活性化協議会（会長・田川町長）が、国内有数の産地として知られる同町のジュンサイの魅力や摘み取り体験の楽しさをアピールし、消費拡大につなげようと開いている。
　今回はソロの部に25人、ペアの部に25組50人が参加。申し込みはソロが約50人、ペアが75組ほどで抽選を行い、当選倍率は2、3倍という人気ぶりだった。地元の能代山本や東京、埼玉、岩手の老若男女、米国や台湾出身の国際教養大生、ALT（外国語指導助手）などがエントリーし、まさに「世界大会」の様相となった。
　競技は、1時間の制限時間でどれだけ摘み取れるかを競うシンプルなルール。参加者はジュンサイが豊富にありそうなポイントを探って位置に就き、開始の合図を受けて摘み取りを開始した。
　最初は「取れた」、「あったよ」などと声が上がったが、時間がたつと自然と静かになり、豊かな環境の中で黙々と体験。最後まで楽しく摘み取った。
　計量で順位を決めて表彰。ソロの部は3回目の出場で1148㌘を摘み取った渡部考子さん（59）＝秋田市＝が初めて頂点に立ち、「今年は5回ほど町内で摘み取りを練習した。その成果を発揮し、優勝できてうれしい。摘み取りは『無』になれるのがいい」と笑顔。ペアの部は2594㌘を取った笹村夕さん（43）＝埼玉県ふじみ野市＝と内藤美和子さん（44）＝潟上市＝が初出場で優勝を飾り、「ジュンサイが大好き。イメージトレーニングを重ねた。相手のペースを意識し、けんかせずにできた」と声を弾ませた。
　また、潟上市のALTで米国出身のモリス・ミケーリアさん（25）は「ALTの友人に誘われて初めて摘み取りを体験した。探して取るのが楽しかった。少しは取れた。また体験したい」と話していた。
　競技後はジュンサイをドレッシングなどで試食し、旬を迎えている町の特産のおいしさに触れた。