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北羽新報社

久六島の灯台建て替え 能代市の大森建設 難工事進める

久六島の灯台の解体作業(大森建設提供)

新しい灯台(左)と古い灯台(能代港で)

 能代市河戸川の大森建設(大森三四郎社長)は、青森県深浦町の「久六島」で灯台の建て替え工事を行っている。能代港から65㌔離れた県境付近の無人島まで専用船で約6時間かけて上陸し、古くなった灯台を先月撤去した。今月中に新しい灯台を据え付ける。波の荒い孤島で難工事を進めており、7月の完成を目指す。

 久六島は深浦町の深浦港から約40㌔沖合にある無人の岩礁群。対馬海流に乗って北上するクロマグロやサザエ、アワビなどの好漁場として知られる。
 灯台は昭和21年創業の大森建設が33年から2年かけて建設し、34年10月に点灯。潮の流れが速く、高波に姿を消す孤島での建設は困難を極めた。幾度となく資材を流され、悪天候で何度も中断を余儀なくされた。過酷な悪条件の中、当時の技術で灯台を完成させた。
 灯台は老朽化に伴い、第2管区海上保安本部が3月15日に発注し再び大森建設が落札。菊池宣和工事管理部長は「非常に過酷な工事でどこでもやれるものではない。やれたとしても敬遠する工事だろう」と話す。
 工事は海が比較的穏やかな4~7月に計画。最大550㌧の重量物をつり上げられるクレーンを備えた起重機船「第7大福号」(総トン数2035㌧)で灯台を解体、運搬、新設する。過去のデータから上陸可能な日は年間28日しかなく、目まぐるしく変化する天候をにらみながらの作業だ。
 新設の灯台は高さ13・1㍍、円柱の直径は2・6㍍。基礎コンクリートの上部に起重機船のクレーンを使って設置する。岩礁群での建設は危険が伴うため、事前に鉄骨製の灯台を造って船で運んで据え付ける。5月12日にほぼ同じサイズの灯台を解体し、能代港まで運び込んだ。新たに作った灯台は6月末までに設置し終える予定だ。
 工期は3月24日~7月30日。久六島への灯台搬入から完成まで21日間と見込むが、天候不順を考慮し長めに設定した。工事中は仮の灯台を設置する。契約金額は3億6800万円(税込み)。灯台の製作はクラフト工業(山形県酒田市)、電機系統はベルウッド電気(仙台市)が請け負い、足場や解体、基礎工事などは地元企業に依頼した。
 解体や設置では、起重機船と交通船2隻で総勢40人が携わる。能代港から65㌔離れた久六島まで約6時間かけて航行する。早朝の作業開始に合わせ未明に出港し、夕方に帰還するという。
 大福号の名前は創業者・故大森福治氏に由来する。大森社長は「難工事だった久六灯台は、何事にも挑戦し成し遂げる当社の象徴。父福治の精神は今も社員の心に灯し続けている」と語った。

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